今回は、珍しいケースをご紹介致します。
「自宅の庭にプールが欲しい!」というオーダーを承りました。
プールってそんな簡単に作れるものなの?
という声が聞こえてきそうですが、勿論簡単ではありません(笑)
海外からプールを空輸で運び、実際に施工をする前に、
設計の段階で周囲との”高さ”に注意する必要があり、
排水周りにも慎重にならなければ、後々お客様が困ってしまいます。
建物の基礎に影響が無いようプールの設置位置及び構造図を慎重に計画。
ちょうど梅雨の時期に工事を行った為、なかなか工事が進まず苦労しました。
通常のミニプールと違う点
・通常は排水口がある。
・ノックダウン式のプールに装飾して仕上げた。
輸入規格品に対して、国内の材料を収めていくのは苦労しました…
設計が無事に終わり、いざ施工(工事)となった際、
近隣対策は徹底して行いました。というのも、今回のご自宅は閑静な住宅街で、
ドンドン、カンカン大きな音を立てて工事すると近隣の方にご迷惑をかけてしまう。
同時に、お客様が日常生活を過ごされている中での工事の為、なるべく騒音を
出さないように慎重に行う事を念頭に着工。
ポンプの振動、濾過器の防音対策で特注の防音カバーを用意しました。
細かな点で、通常のコンクリートやタイルを貼ると、つなぎ目に汚れが溜まり、黒ずんで見栄えが悪くなってしまいます。できたばかりの道路が汚れていくイメージですね。そうならないよう、汚れが付きづらく足元が滑りづらい仕様の床材を使用しました。
また夜間利用での事故防止の為、照明対策でプールの輪郭には必ず
間接照明が照らされるように人感センサーを設置しました。
お客様の使われるあらゆるシチュエーションを考慮して安全面をカバーします。
個人のご自宅にプールを増設するという事で、大切な自宅の基礎部分に水が流れ込むことがあってはいけません。その為、高低差の設定が非常に重要となります。今回は建物の基礎周りにも側溝を用意。キレイに水はけされるような勾配設計を行いました。
店舗デザイン、今回のご自宅でのプール設置でも大切な事は、
お客様が長く利用される中で、汚れ、使い勝手、動線など含め
利用しやすい環境を整えることもデザインの大切な仕事だと考えています。
お引渡しも無事に済み、これからはご自宅で心ゆくまでお愉しみ下さい。
追記:
プールって汚れちゃうんじゃないの?というご質問をいただきました。
これは、水を常に循環させることで回避できます。付けっぱなしにしても
電気代もそれほど高額にならずにキレイな状態を維持する事が可能です。
何でも工夫することで、良い・キレイな状態は維持できるものです。