スポーツジムの内装デザインは、内装の清潔感や明るさはもちろん、トレーニングに集中できる環境であることが重要です。
競合店の一歩先を行くスポーツジムを開業するためにも、スポーツジムの内装デザインの特徴や、物件選びのポイント、開業資金を計画する時の注意点などを知っておきましょう。
通いたくなるスポーツジムに共通する内装デザインとは?
スポーツジムを見学する人が最初にチェックするポイントは、
従って、スポーツジムを開業する時は、トレーナーの指導力や機材のレベル以上に、内装デザインで「清潔感」を演出し、スムーズに移動できる「動線」を作り上げなければなりません。
外から見える外装デザイン
スポーツジムの雰囲気を伝えるために、外から見えやすい外装デザインにすることが大切です。中の様子を一切確認できない外装デザインでは、ジムの雰囲気がわからないことで顧客獲得のチャンスを逃してしまう可能性があります。
ただし、トレーニング風景が見えるとお客様のプライバシーを守れないため、ジム内の一部だけ見えるようにしましょう。
2階のテナントであれば、全面クリアガラスにしても問題ありません。ただし、周辺の建物から見える場合は、一部をすりガラスにするなど対策が必要です。
明るさと清潔感がスポーツジムの命運を分ける
体験入学したスポーツジムが、床は汚れて壁は傷だらけ、シャワールームやトイレが暗くて不衛生といった状態では、お客さんの入会を後押しすることは難しいでしょう。不特定多数の人が汗を流し、機材を共有するスポーツジムでは、汚れが目立ちにくく掃除がしやすい内装材を選ぶなどして、清潔感を演出することが重要です。
また、スポーツジムでトレーニングをしたい人は、体力をつけたい、筋力をつけたい、日常に刺激が欲しいなど、何らかの変化を期待して訪れるものです。明るく爽やかな内装のスポーツジムであれば、見学に来たお客さんの気分が前向きになり、入会したいと思ってもらえるでしょう。
多くの人がスムーズに移動できる動線
スポーツジムでは、利用者が好きな時間にトレーニングマシンや控室を行き来します。機材から機材に移動するために遠回りをしなければならなかったり、人とぶつかりやすかったりすると、トレーニングに集中してもらえなくなってしまいます。
内装デザインの際は、利用者やトレーナーの動線が機材や家具で遮られないように、ストレスなく移動できる動線を考えましょう。
スポーツジムの開業資金を計画する時の注意点
スポーツジムの開業資金は、主に以下の内訳で構成されます。
● 物件取得費用:約150〜500万円
● 設備費用:約100〜300万円
● 内装リフォーム費用:約20〜100万円
● 広告宣伝費用:約5〜20万円
合計:約300〜900万円
開業費用を抑えるなら内装デザインを必要最低限にする
スポーツジムの開業費用を不必要に膨らませないためには、内装デザインの上限を決めておくことが大切です。スポーツジムの内装デザインは、高級感やブランドコンセプトの演出にこだわり過ぎなければ、必要最低限の仕様で済ませることも可能です。
壁紙とカーペットの張替え、受付カウンターや間仕切り壁の設置、ロッカー、化粧室など、開業を予定しているスポーツジムに欠かせない内装材をまずは決め、開業資金に余裕があった時に、プラスアルファの演出を加えると良いでしょう。
スポーツジムにする物件選びで抑えておきたいポイント
スポーツジムにとって、物件選びでは「耐荷重」を必ず確認しておかなければなりません。さらに、何度も通いたいと思ってもらうためには、店舗の「アクセス性」も備えておく必要があります。
トレーニング機材の重量に耐えられる床
一定の重さに耐えられる力を「耐荷重」と呼びます。重いトレーニング機材を置くスポーツジムでは、物件の耐荷重が、導入する機材の重量をクリアしていなければなりません。
耐荷重は物件の構造によって異なり、一般的なマンションでは約180kg、テナントビルでは約300kgまでが平均値です。耐荷重を超える使い方をすると、床材の傷や凹み、傾きなどに繋がるため、物件探しの前に、設置する機材の重量を調べておく必要があります。
導入予定の機材が、希望する物件の耐荷重を越えそうで不安な場合は、内装デザイン会社に相談して、建物の負荷を軽減するような機材の配置を考えてもらうと良いでしょう。
通いたいと思わせるアクセス性
スポーツジムで体力を付けたい人でも、駅から徒歩15分以上など離れた場所にあるスポーツジムや、駅の出口の真反対にあるようなスポーツジム、駐車場との行き来が不便なスポーツジムでは、「面倒で通わなくなりそうだからやめておこう」「通うだけで疲れてトレーニングが辛くなりそう」と思われ、敬遠されてしまいます。
電車で来店されるお客様が多い場合はなるべく駅近、地方など車で来店されるお客様が多い場合は、広い駐車場が確保できると、通いやすいスポーツジムと認識してくれます。
なるべくそのまま活かせる居抜き物件を選ぶ
前のテナントの設備が残っている居抜き物件であれば、開業費用を抑えることが可能です。
居抜き物件のメリットやデメリットなどを事前に確認しておきましょう。こちらの記事で詳しく紹介しています。
初期費用を抑える?レイアウトを我慢する?居抜き物件のメリットとデメリットまとめ
また、開業までの時間も短縮できます。前のテナントもスポーツジムであれば、トレーニングルームやシャワールームなどの新設が不要なため、費用を大きく抑えられるでしょう。事務所系の居ぬき物件も、天井や壁をそのまま使用できる物件が多く、改装や処分の費用を抑えることが可能です。
不要な設備や大型家具がある居抜き物件では、処分や改装に費用がかかることに注意してください。
大掛かりな内装リフォームが省ける物件を選ぶ
スポーツジム用の物件は、できるだけ、内装リフォームが発生しない所を選んだ方が良いでしょう。
例えば、シャワールームがある物件とない物件では、開業時の設備費用に約50〜100万円近い差が出ます。あるいは、間仕切り壁で細かく仕切られた物件だと、広いトレーニングルームに改修するために、間仕切り壁の撤去費用が一箇所あたり約10万円発生する恐れがあります。
開業を予定しているスポーツジムの規模や、導入するトレーニングマシンの種類に併せて、最小限の内装リフォームで使える物件を見つけましょう。
内装リフォームを自分たちでDIYしようと考えている方もいらっしゃると思います。どこからどこまでならDIYでも大丈夫なのか、どこからが業者に頼むべき範囲なのかをきちんと把握せずにすすめてしまうとに危険な目にあってしまうことも。こちらの記事ではDIYの安全な範囲を詳しく紹介していますので、ぜひあわせて読んでみてください。
店舗内装はどこまでDIYできる?DIYしても良い安全なラインはこれ!
おわりに
スポーツジムの内装デザインでは、店舗のコンセプトや雰囲気の演出以上に、まずは最低限の清潔感とトレーニングのしやすさを確保しておくことが大切です。
開業を予定しているスポーツジムの規模や設備、機材の種類を調べ、耐荷重や内装リフォームの量、アクセス性などを吟味しながら、納得できるスポーツジム用の物件を探しましょう。