見た目がかわいいパンをランチに購入する女性やサラリーマンは多く、内装がおしゃれなパン屋で買ったパンともなれば、より一層美味しく感じるものです。
「あのおしゃれなお店で買ったパンだよ」という口コミがSNSなどで広まれば、新たなリピーターの獲得にも繫がるでしょう。
この記事では、そんな人気のパン屋にするために必要な、内装デザインで押さえておきたいポイントや、内装工事にかかる費用などをご紹介します。
パン屋の売上は内装にかかっている
パン屋を開業する時は、
1. 販売スペースの内装デザイン
2. 厨房機器のグレード
3. イートインスペースの広さ
という、3つのバランスを考えて予算を決めなくてはなりません。
中には、「内装にお金をかけられないので、多少店内が貧相でも、パンの味で勝負する!」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、たとえ味がどんなに一流でも、店内が薄暗く、表からパンが見えずパン屋だとわからないようなお店では、新規客の獲得も難しく、せっかく作ったパンが無駄になってしまう恐れがあります。
従って、これから開業するパン屋にとって、内装を充実させることは他店との差別化のためには欠かせません。
パン屋の内装デザインで押さえておくべきポイント
今の時代、パンの美味しさを追及するだけではなく、パンを美味しく見せる工夫も必要です。どれだけ味が美味しくても、美味しそうに見えなければ売上には繋がりません。
パン屋の内装を考える時は、パンをどれだけ美味しく演出できるかが重要です。照明やパンの陳列方法を工夫すればイートインスペースの利用者も増え、イートインスペースでパンを食べる人を見てさらに客足も増えるでしょう。
照明は電球色タイプでパンを美味しく見せましょう。デザインにこだわると◎
パン屋の照明は、パンの色が映えるように、少しオレンジがかった「電球色タイプ」が良いでしょう。
「昼白色タイプ」は料理が青みがかって、美味しく見えなくなってしまいます。
また、パン屋は夜間よりも午前~夕方の販売がメインです。
そのため、店内を明るく照らすことよりも、照明器具自体のデザインにこだわると良いでしょう。
ダウンライトや天井吊りの照明ボックスなど、おしゃれな照明はインテリアにもなります。
照明の使い方のポイントはこちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひあわせて読んでみてください。
ミシュラン常連店では当たり前!店舗イメージ・売上が3倍変わる、印象が良い店舗照明3つのポイント
パンの陳列方法も内装デザインの一部
パン屋にとって、パンは商品であり、お店らしさを演出するための重要なインテリアです。
色や大きさで分けて空間にメリハリを付けたり、夏は「夏野菜カレーパン」、冬は「シチューパイ」を目立つ所に置いて季節感を演出したりすることもできます。
棚や床、壁材などの内装材と違って、パンの陳列は日々変更できますので、開業前に陳列方法を固定してしまわず、柔軟に変更できるレイアウトにしておくことがポイントです。
イートインスペースは窮屈にならないよう腰壁に
せっかくイートインスペースを設けるのであれば、イートインスペースで過ごす客と購入中の客がぶつからないように、売り場とはしっかり隔てておきましょう。
パンのテイクアウトだけでなく、イートインスペースも設けておくと、休憩のために利用するリピーターを獲得でき、飲み物の売上もプラスされます。イートインスペースでパンを食べている他の客を見て、「このお店に入ってみようかな」と決める人もいるでしょう。
完全に壁で囲んでしまうと窮屈なイートインスペースになってしまいますので、売り場との境界線は腰壁で隔てると良いです。そうすることで、視界が塞がれずイートインスペースにも余裕のある空間が出来上がります。
また、座り心地の悪そうなイスや傷だらけのテーブルでは食欲も湧きませんので、イートインスペースは家具選びにも手を抜かないようにしましょう。
できれば、イートインがあったパン屋の居抜き物件を再利用すると、壁の増設やカウンターの追加といった内装工事を行わずに済みます。
通路の幅を広めにとる
通路を挟んでパンを陳列する場合は、通路の幅を広めにとることが大切です。お客様がすれ違うときにぶつかる心配があります。また、子供連れで来店しづらくなる原因になるでしょう。少なくとも、大人2人がすれ違っても20cmほどの余裕があるように通路の幅をとることをおすすめします。
窓ガラスはクリアタイプを選ぶ
窓ガラスは、一般的なクリアタイプのものを選ぶことが大切です。すりガラスでは、外からパンが目に入りません。店に入ってまでパンを確認するお客様は少ないため、外から気軽にパンの種類や見た目を確認できるようにクリアタイプの窓ガラスを選びましょう。
パン屋の内装工事費用
パン屋の内装工事費用は、1坪あたり約30~60万円が相場と言われています。
パン屋の開業時には、
● 電気工事
● 内装工事
● 厨房工事
● 防水工事
● 左官工事
などが発生し、すべて合計して300~800万円ほどかかります。
広めのイートインを設ける場合はイスやテーブル購入費用も含めて1000万円は必要と考えられるでしょう。
また、パン屋の厨房は作業の様子がお客様に見えるように、ガラス張りにされている傾向がありますので、ガラスの表面にお店のロゴが印刷されたような、特殊なガラスの取り付け工事が発生することもあります。
その他専門機材の費用
工事に加えて、大量のパンを効率良く焼き続けるためには、専用の機材が欠かせません。パンをこねる機械や、一度に沢山焼けるオーブンのほか、蒸す機械などもあればパンのレパートリーがぐっと増えます。
パンやの内装に取り入れたい内装・外装アイテム
通りすがりの人に、パン屋だとすぐに認識してもらえるように、内装や外装に以下のアイテムを取り入れてみることがおすすめです。
木材はパンとの相性がぴったり
木材はパン屋との相性が良く、インテリアに取り入れると、空間に素朴な雰囲気が生まれます。
ただし、天然の木材でできた無垢材を多用すると、材料代が割高になり内装工事費用が高額になってしまいますので、化粧シートや木目が印刷された壁クロスなどで代用する方法を使っても問題ありません。
手書きのイラストで手作り感を強調
パン屋では、カウンターやイートインスペースなどに手書きのイラストが飾られていることがあります。
写真ではない手書きのイラストを飾ることによって、「手作り感」が強調され、「このお店でしか食べられないパン」という特別感が生まれます。
レンガで焼き立て感をイメージさせる
レンガは焼き窯などにも使われている素材ですので、パンの焼きたて感を強調するアイテムとしてはうって付けです。
壁にアクセントとして取り付けても効果的ですが、陳列棚付近に、窯を模してレンガをアーチ状に取り付けテクニックも検討してみると良いでしょう。
おわりに
パン屋の内装づくりでは、パンを美味しく見せることと、「ここでしか買えないパン」という特別感を演出することが大切です。
内装やイートインスペースを気に入ってくれるリピーターが増えれば、パンのレパートリーや行えるサービスも増えて行きますので、開業時に、しっかり内装や設備に費用を投じておきましょう。