古民家リノベーションは、住居用にも店舗用にも根強い人気です。古民家をリノベーションして店舗にする時は、内装デザインや業者選びの際に、抑えておくべきコツがあります。
憧れの古民家を購入してリノベーションに着手する前に、店舗として相応しい物件か、古民家リノベーションを任せるべき業者かなど、慎重に判断できるようになっておきましょう。
古民家もリノベーションでおしゃれな内装に
建築から長い年月が経った古民家も、リノベーションで現代風に改装され、全国で店舗として再利用され始めています。
相当の築年数が経過しているにも関わらず、あえて古民家をリノベーションして店舗にしたがる人は後を絶たない理由は、古民家でしか演出できない独特の趣にあります。
古民家の雰囲気に魅了される人は多い
古民家には、「設備が古い」「間取りが現代の生活にそぐわない」といったデメリットもありますが、欠点をカバーできるほどの多くの魅力があります。
例えば、現代では入手困難な原木がまるごと使われた立派な柱や、昔にタイムスリップしたかのような低い天井と高い床、長い時間の経過を彷彿とさせる傷、庭に面した縁側など、これらの要素が醸し出す情緒は、古民家でしか得ることはできません。
古民家の内装を店舗にリノベーションする時の注意点
古民家の内装を店舗用にリノベーションする時は、古民家が持つ魅力はそのままに、お客さんや従業員が過ごしやすい空間を作ることがポイントです。
店舗にしたい古民家が法規制をクリアしているか調べる
古民家の明確な定義はなく、「築年数が50年以上」「建築基準法の制定時に建てられた建築物」などの説もありますが、かなりの築年数が経った古い建物であることに変わりはありません。
従って、古民家の多くは、現行の「建築基準法」や「消防法」といった、建物に関わる法規制をクリアしていない可能性があります。
これらの法規制をリノベーションで改修しようとすると、内装工事の他に膨大なコストが発生しかねません。古民家を購入する前に、建物調査も兼ねて、リノベーション費用の見積もりも取っておくと良いでしょう。
古民家店舗はリノベーションで断熱性・気密性を高めること
古民家の多くは、現代の建築物に比べると断熱性や気密性が劣ることがあります。断熱性や気密性が低い古民家を店舗にすると、夏暑く冬寒い店内になってお客さんが長居を避けたり、エアコンをフルパワーで稼働し続けて光熱費がかさんだりして、過ごしにくい店舗になってしまうでしょう。
古民家を店舗にリノベーションする時は、断熱性と気密性に、できるだけ予算をかけておくことが大切です。
和風デザインにこだわり過ぎない
古民家といえば和の佇まいが魅力ですが、洋風のアンティークな家具を置くことで、和と洋がミックスした「和モダン」な雰囲気の内装にすることも可能です。従って、和風の料亭や甘味処だけでなく、洋食屋や洋風の雑貨店なども、古民家を再利用して店舗にすることができます。
あえて洋風のアイテムや内装材を取り入れて、古民家を再利用して作られた他の店舗と差別化してみても良いでしょう。
古民家の店舗リノベーションで内装業者を選ぶポイント
古民家リノベーションには様々な注意点が存在します。古民家ならではの良さが詰まった魅力的な店舗を手に入れるためにも、内装業者選びのポイントを知っておきましょう。
古民家を店舗にリノベーションした実績が豊富
古民家をリノベーションする場合は、過去に古民家で施工した経験を持つ内装業者に依頼することをおすすめします。
古民家での、施工前〜施工後の一連の流れを知っている業者であれば、解体すべき箇所、残すべき箇所などを過去の施工経験から的確に判断できるため、古民家の良さを損ねないリノベーションとなるでしょう。
必要に応じて、耐震改修や断熱改修に関する補助金の情報も教えてもらえるかもしれません。
また、住宅と店舗ではリノベーションの方向性も異なります。そのため、古民家を店舗にリノベーションする場合は、住居用にリノベーションした施工実績ではなく、店舗用にリノベーションした実績を持つ業者を選ぶこともポイントです。内装デザインや動線作り、設備の選び方などで、多くのアドバイスをもらえるかもしれません。
建築士が在籍している業者に依頼する
建築士は、建築基準法や消防法といった法律の知識だけでなく、予算内で抑えながら依頼主の希望を満たすプランニングなどにも長けています。
建築士が運営している設計事務所や、建築士が在籍している工務店などに依頼することで、購入した古民家に最も相応しいリノベーションが行えるでしょう。
おわりに
築年数が経っている古民家をリノベーションする際は、法規制のクリアや機能性の向上といった様々な点に注意しなければなりません。リノベーション時は、古民家が抱えている問題点を素早く見抜き、作りたい店舗に相応しい内装デザインを考えてくれる業者に依頼することが大切です。
古民家のレトロな魅力はそのままに、現代の人にも親しまれる、唯一無二の店舗を手に入れましょう。