飲食店では、内装の壁紙やカーペット、座席やキッチンの位置など考える所が沢山あります。その中でも特に忘れてはならない存在が、食事を摂るために必ず使う「カトラリー」です。
この記事では、飲食店におけるカトラリーの重要性や、内装デザインに合うカトラリー選びのコツなどをご紹介します。
飲食店に欠かせない「カトラリー」とは
カトラリー(cutlery)とは、ナイフやフォーク、スプーンなどのことです。料理を提供する飲食店にとって、カトラリーは必要不可欠な存在であるとともに、内装をより華やかに引き立てる重要なアイテムでもあります。
飲食店におけるカトラリーの定義について
カトラリーは、本来はナイフ・フォーク・スプーンの3点を指すと言われていますが、お箸やトング、コースターなど、和洋中を問わず食事で使われる小物もカトラリーに含んで考えられています。
その他、飲食店やホテルでは、ナイフやフォーク、スプーンなどを「シルバー」と呼ぶこともあります。
カトラリーが内装デザインや店舗に与える影響
食事を取るためだけであれば、使い捨ての割り箸や、100円ショップで売られているようなチープなカトラリーでも問題はないかもしれません。
しかし、食事を楽しんでもらうことが目的の飲食店では、カトラリーも内装の一部と考えて、お店のコンセプトに沿った種類を選ぶ必要があります。
カトラリーは飲食店の内装の一部
飲食店の内装デザインでは、壁や床、建具や照明ももちろん重要ですが、カトラリー選びも非常に重要な意味を持ちます。
例えば、洋料理を提供する飲食店では銀色のカトラリーが置かれていますが、和食料理のお店では、木製のお箸や陶器のれんげといった和風のカトラリーが出てくることもあります。韓国料理のお店で、銀製の長いお箸を使った経験のある方もいるでしょう。
そのほか、雑貨ショップも兼ねた個人経営のカフェや喫茶店で、動物モチーフの装飾が付いた珍しいスプーンや、王室で使われているようなアンティーク風の調味料入れなどが出てきた経験のある方もいるかもしれません。キッズカフェなどでは、お子様向けの小さなスプーンや先端が尖っていないフォークなどが出てくることもあります。
このようにカトラリーは、店舗の雰囲気を客に印象付ける、非常に重要な小道具なのです。
カトラリーに反射した光がお店を華やかにする
座席に置かれた調味料ケースや、棚に並べられたワイングラス、料理と一緒に出てくるスプーンやフォークは、照明の光を反射させて店内全体を華やかに演出してくれます。
光を反射させるカトラリーがあることによって、クロスやナプキン、カーペットやカーテンなどのファブリックが多い飲食店も、金属やプラスチックを扱う雑貨店や宝石店のように店内を輝かせることが可能です。提供される料理もカトラリーの光沢でより一層豪華に見え、お客さんにお店で非日常感を体験してもらえるようになります。
飲食店の内装デザインにも影響するカトラリー選びのコツ
飲食店では、選んだカトラリーが店舗の内装に影響を与えることをよく理解してデザインを考えましょう。
カトラリーは収納スペースに配慮して選ぶ
飲食店のカトラリー選びでは、量だけでなく、サイズや形にも注意が必要です。収納スペースに入り切らない量やサイズのカトラリーを選んでしまうと、棚や引き出しに入らず、収納用の家具を別途追加することになってしまいます。
家具の量が増えれば、既存の家具や設備の位置も調整しなければならず、従業員の動線も乱れて、オペレーションにも支障が生じるかもしれません。
内装のコンセプトに合うカトラリーを選ぶ
お店の業種やコンセプトに沿って内装デザインを考えるように、カトラリーも、お店のコンセプトから離れすぎないデザインかよく見極めて選ぶことが大切です。
例えば、座席や内装が和風で完璧に統一された料亭で、和風料理と一緒にアンティークな洋風デザインのカトラリーが出てくると、お客さんは料理の味に集中できなくなってしまいます。
個人経営の飲食店など、あえて雰囲気が違うカトラリーを用意している個性的なお店もありますが、カトラリーのデザインは、できるだけ内装と統一させておきましょう。店舗のコンセプトがお客さんに伝わりやすくなるだけでなく、料理をゆっくり味わってもらえるようになります。
おわりに
飲食店の開業時は、物件や立地選び、従業員の手配、調理機器の設置、インフラ整備などやるべきことが沢山ありますが、カトラリー選びも手を抜くことはできなりません。
お客さんに食事を楽しんでもらい、お店の内装デザインをより引き立てるような、ご自身の店舗にぴったりのカトラリーを見つけておきましょう。