失業状態の人は失業保険を受け取ることができますが、その申請に欠かせない書類のひとつが、退職した会社から発行される「離職票」です。
この記事では、「離職票が届かないけど失業保険はもらえるのか」または「離職票が届いたけど手続き方法がわからない」といった方に向けて、離職票を使って失業保険を確実に受け取るための方法について解説します。
失業保険の給付申請に必要な「離職票」とは
失業保険とは、会社を退職後、次の仕事に就くまでのあいだ失業手当が給付される制度のことです。
自己都合・会社都合に関わらずそれぞれの条件を満たせば、再就職先が決まるまでのあいだ給付金を受け取ることができます。
この失業手当の給付申請に必要な書類が、「離職票」です。
会社は退職者が出た場合、10日以内に「雇用保険被保険者資格喪失届」を管轄のハローワークに届け出る義務があります。
この届出が行われると、離職票が会社から退職者本人に郵送されます。
給付申請の手続を行うためには、退職した本人が離職票をハローワークに提出する必要があります。
離職票の記載内容
離職票には以下のような情報が記載されています。
● 離職日
● 雇用保険の被保険者番号
● 離職した理由
● 過去半年間の給与額
● 過去半年間の出社日数
これらの情報は退職した会社が記載してくれますので、退職者本人が調べて記載する必要はありません。
ただし会社が情報を誤って記載していないか、念のため一度目を通しておきましょう。
例えば、会社都合による退職にも関わらず、離職理由欄が「自己都合」になっていると、給付期間が遅くなり給付額も少なくなってしまいます。
離職票は退職日から10日以内に届く
会社は、「10日以内にハローワークに退職者の離職票を提出する」ことが、雇用保険法により義務付けられています。
そのため、会社が手続きを誤らない限り、10日以上経っても離職票が届かないことはありません。
10日経っても離職票が届かなかった時の対処法
万が一、退職した会社のミスやトラブルで10日以内に離職票が送られて来なくても、失業保険は「仮申請(仮手続き)」が行えます。
仮申請でも正規の申請と同じ効果がありますので、「トラブルで離職票がいつまで経っても届かず、申請が遅れて全額給付されなかった」という事態は避けられます。
規定の10日以内を過ぎても離職票が届かなかった時は、すぐに退職した会社に離職票を請求し、管轄のハローワークに仮申請を行いたい理由を連絡しましょう。
なお、会社が離職票の請求に応じない場合は、ハローワークを通じて請求することもできます。
求職申込みは早めがベスト
失業保険は失業後であればいつでも申請できます。
ただし、失業保険が受け取れる期間は「退職日の翌日から1年以内」と決まっています。
そのため給付額や給付期間が残っていても、退職日から1年を過ぎると強制的に受け取れなくなってしまいます。
すぐに給付を開始してもらって受給可能分を全額受け取れるように、求職の申し込みや仮申請はできるだけ早めに行いましょう。
離職票到着後の失業保険給付申請の方法
失業保険の給付申請は、受給者本人が、住民票に登録しているエリアのハローワークにて行います。
失業保険給付申請に必要な物
申請手続きには以下の物が必要です。
● 雇用保険被保険者離職票
● マイナンバーカード、または通知カード
● 本人確認書類(運転免許証、写真付きの資格証明書など)
● 縦3.0cm×横2.5cmの証明写真 ※2枚
● 印鑑
● 預金通帳
給付申請申請手続きの流れ
1.求職申込み
まずハローワークで「求職申込み」を行い、受給資格を満たすかどうかを確認してもらいます。
この日から7日間の「待期期間」となり、失業状態かどうかなどの本人確認が行われます。
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2.受給説明会
求職申込み時に指定された日時に、「雇用保険受給説明会」に出席します。
この時、印鑑と筆記用具を忘れずに持参しましょう。
ここで「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」が渡されます。
なお、説明会では初回の「失業認定日」が通知されますので、仮申請状態の人はその日までに離職票をハローワークに提出する必要があります。
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3.初回の失業認定日
初回の失業認定日を過ぎたら、「失業認定申告書」と併せて「雇用保険受給資格者証」をハローワークに提出します。
失業保険を受け取るためには、失業認定期間中に原則として2回以上(初回認定日に限り1回)の求職活動の実績が必要です。
失業認定は給付決定後も4週間に1度行われますので、給付期間中は常に求職活動を続ける必要があります。
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4.失業保険の振込
失業認定日から約1週間以内に、ハローワークで登録した口座に失業保険が振り込まれます。
おわりに
失業保険の申請に欠かせない離職票は、退職した会社が10日以内に郵送しなければなりません。
失業保険は、1年以内に貰い切らなければ全額を受け取れない恐れがありますので、離職票が届いたらすぐに申請手続きを行う必要があります。
もし何らかの事情で離職票が届かない場合は、すぐに離職票を会社に請求し、ハローワークで仮申請を行うなどして受給開始期間が遅れないようにしましょう。