湿度が不足し、乾燥している室内では、風邪やウイルスが蔓延しやすくなり、皮膚や呼吸器官のトラブルも起きやすくなってしまいます。
オフィスの湿度が不足していると、乾燥による不快感で、従業員は落ち着いて作業を行えません。
会社の業務効率を落とさない、快適なオフィスを維持するためにも、オフィスに湿度を確保すべき理由と、3つの加湿対策を知っておきましょう。
従業員の体調管理も大切な仕事
自分の体調を管理することも、社会人としての努めですが、オフィスの環境が悪ければ、従業員個人がどんなに気を付けていても、体調を崩しやすくなってしまいます。
「最近体調不良で休む従業員が増えた」
「冬になると必ずインフルエンザにかかる社員がいる」
と感じるようであれば、オフィスの湿度対策が十分ではない可能性があります。
オフィスの湿度には基準がある
オフィスの湿度は『事務所衛生基準規則(事務所則)』で定められています。
『事務所則』とは、事務所内の温度や空気、騒音、照度などについて定めた規則で、すべてのオフィスは安全衛生法に基づき、事務所則で提示された衛生基準を守らなくてはなりません。
事務所則によると、オフィスの湿度は、「40パーセント以上、70パーセント以下」になるよう努めなければならないとされています。
オフィスが乾燥することで発生するマイナスの影響
湿度が不足し、乾燥しているオフィスでは、従業員に以下のような症状が現れるようになります。
呼吸器官への悪影響
空気中の湿度が不足すると、喉や鼻の粘膜が弱くなり、のどの炎症や、鼻水・鼻づまりといった、呼吸器官のトラブルが起こりやすくなります。
肌トラブル
空気が乾燥すると、皮膚の水分が奪われ、ピリピリとした感覚が生じます。
長期間放置し続けると、肌あれや唇の割れなどが起こるようになり、業務に集中できなくなるでしょう。
病気にかかりやすくなる
風邪やインフルエンザなどのウイルスは、乾燥した空気の中で増殖します。
空気が乾燥していると、ウイルスは空気に乗って室内に飛散して、より多くの人の口や鼻に入ってしまい、オフィス内で風邪やインフルエンザなどが流行する原因となります。
全身の倦怠感
呼吸器や肌から感じる不快感は、徐々に倦怠感を生み出し、業務を満足に行えない状態を引き起こしてしまうでしょう。
オフィスに取り入れるべき3つの乾燥対策
乾燥を防ぐアイテムといえば、保湿用のハンドクリームやリップクリームなどがあります。
しかし、いくらクリームで保湿を行っても、オフィスの湿度そのものが不足していては、効果が半減してしまいます。
オフィス内の湿度を事務所則の基準に収めるためにも、以下の3つの乾燥対策を取り入れましょう。
加湿器と湿度計の設置
加湿器は、冬場のオフィスになくてはならないアイテムです。
加湿器は、プレハブや木造など、建物の構造によって加湿の威力が異なりますので、購入するときは、オフィスの広さや構造に適した威力かどうかを確認しましょう。
また、加湿器には、スチーム式・気化式・ハイブリッド式・超音波式の4タイプがあります。
このうち、超音波式は加湿器の周りが水蒸気で濡れてしまうことがありますので、パソコンなどの機械を使うオフィスでは避けた方がよいでしょう。
4タイプのうち、最も加湿力が高く、殺菌効果もあるものはスチーム式で、スチーム式と気化式のメリットを併せ持ったタイプが、ハイブリッド式になります。
ハイブリッド式の加湿器は、ミストが熱くならず、除菌機能も付いていますので、オフィスで長く使う加湿器としては最もおすすめのタイプです。
また、加湿器を使うときは、湿度計も、オフィスの加湿器から離れた位置に複数台設置して、湿度をいつでも確認できるようにしておきましょう。
観葉植物を置く
観葉植物は、インテリアとしてだけでなく、オフィスの乾燥対策にも効果的です。
すべての植物には、調湿作用があります。
調湿作用とは、湿度が多いときには空気中の湿度を体内に蓄え、空気が乾燥しはじめると、体内の湿度を外に放出するはたらきのことです。
観葉植物をオフィスに数か所置くことで、インテリアとしても、湿度対策にもなるでしょう。
ウォーターサーバーの設置
ウォーターサーバーがあると、ふだんはあまり水を飲まない人でも、積極的に水分補給を行えるようになります。
給湯室が離れた位置にあるオフィスや、給湯室がないオフィスなどは、ウォーターサーバーを設置しておくと良いでしょう。
ウォーターサーバーは、しばらく使わないとボトルの水が古くなってしまいますので、従業員の人数に合う容量のものをレンタルすることがポイントです。
おわりに
オフィスが乾燥していると、のどや鼻、皮膚の不快感に繋がり、従業員は作業が行いにくくなってしまいます。
また、冬になるたびに風邪やインフルエンザが流行すると、会社全体で業務に支障が出てしまいます。
従業員が快適に作業できるように、加湿器や観葉植物などを、オフィス内にうるおいを保つアイテムを導入し、いつでも補給が行えるように、ウォーターサーバーなども積極的に導入していきましょう。