木材は、建物の内装・外装材として、大昔から今でも世界中で使われており、鉄やコンクリートなど、丈夫で劣化しにくい素材が次々に登場した今もなお、愛され続けています。
木材が持つ3つの魅力的な効果を知って、内装に取り入れてみましょう。
木材は自然の力を秘めた素材
建物の内装や外装、家具や日用品など、身の回りの様々な物に昔から使われてきた木材は、私たちにとって非常に馴染みの深い素材です。
科学技術の発達とともに、金属やプラスチックといった、耐久性の高い建材が次々に登場しましたが、今なお、木材が内装材に使われていることからわかるように、木材には、人工物では作り出せない独自の魅力があります。
人工物にはない天然素材の魅力
木材の大きな特徴は、金属やプラスチックなどの人工物と違って、自然が作り出す天然の素材という点です。
金属やプラスチックなどの人工物は、モダン、アーバン、シャープ、スタイリッシュといった、クールな雰囲気を演出するにはぴったりの素材です。
しかし、温もりやナチュラル感を演出する素材としては、物足りなさを感じてしまいます。
一方、木材を使って建てられた建築物や内装は、温もりやナチュラル感に溢れた、穏やかな雰囲気を作り出すことができるでしょう。
木材がもたらす3つの効果
木材は、内装材に使用することで、視覚的にも体感的にも人を穏やかにさせる力があります。
温かみや安心感を与える視覚的な効果
木材には、見た人の心を落ち着かせる効果があります。
木材は通常、茶色やベージュ、黄色や赤などの色をしており、この暖色系の色味が、ナチュラル感や温かみを演出する要素のひとつです。
また、木材はプラスチックや金属のように光を強く反射しませんので、内装に取り入れても、ギラギラとしたコントラストのなに、落ち着いた空間を作ることができます。
重厚感のある濃い黒の木材や、ワックスでピカピカに磨かれた木材などもありますが、木目と柔らかい手触りによって、木の柔らかい雰囲気が損なわれることはありません。
安心して触れていられる効果
木は、金属やコンクリートと違って、触れてもひんやりとした感触が生じにくい素材です。
金属やコンクリートは、熱が移動しやすく、熱が残りやすい素材ですので、冷たい空気の中では非常に冷たくなり、高温下では火傷しそうなほど高温になります。
そのため、これらの素材を内装材に使うと、床で寝転んだりすることはおろか、素足で歩き回ることや壁にもたれかかることもままならないでしょう。
しかし、木材は、高温や低温の中でも、人が触れられないほど熱くなったり冷たくなったりすることはありませんので、見た目だけでなく、手触りも心地よい素材と言えるでしょう。
木材の香りによるリラックス効果
「森林浴」という言葉があるように、木には、そこにあるだけで人を癒す大きな力がありますが、この癒し効果の正体は、木が放っている、「フィトンチッド」と呼ばれる香り成分です。
フィトンチッドには、人の心を落ち着かせる独特の効果があり、さらに、虫を寄せ付けず、微生物を殺菌する効果もあるため、人間にとっては非常に頼もしい存在と言えるでしょう。
また、フィトンチッドは木材として加工されても放たれ続けていますので、内装材に使われている木材でも、同様の効果が期待できます。
木材の良さを活かした内装を設計してみよう
木材は、内装に取り入れることによって、様々な癒し効果を与えてくれる建材です。
お店やオフィス、自宅など、取り入れる部屋の雰囲気に応じて、木材を効果的に取り入れることができれば、住む人も訪れた人も、心地よく過ごせる空間となるでしょう。
ただし、天然の木材を内装に使用すると、定期的なメンテナンスが必要になる点はあらかじめ把握しておきましょう。
木材はメンテナンスを忘れずに
木材は、経年劣化しやすく、傷つきやすい素材です。
年月が経って、内部の水分が乾燥して曲がってしまったり、水に晒された状態で長時間放置するとカビが生えたりするため、こまめな手入れは欠かせません。
また、素材自体が柔らかいため、物をぶつけたりイスを引いたりするだけで傷ついてしまい、年月が経つにつれ、表面に傷となって残っていきます。
これらの経年劣化を、使い続ける中で得られる味わいと捉えられるかどうかが、木材と長く付き合っていくための秘訣と言えるでしょう。
おわりに
天然の木から作られる木材は、人工物では作り出せない、温かく柔らかい雰囲気を持っており、さらに、人の心を癒す独自の香りも放ってくれる素材です。
メンテナンスを定期的に実施することによって、経年劣化を味わいながら、末永く付き合っていける建材にもなってくれます。
床や天井、柱や梁、扉やテーブルなど、内装の様々な場所に木材を取り入れて、ナチュラルで落ち着きのある空間を作ってみましょう。