店名はお店のコンセプトと深く関わるため、店名を考えることも、店舗デザインの重要なプロセスです。この記事では、避けるべき店名や覚えやすい店名の違いと併せて、ネーミングで使えるテクニックもご紹介します。
避けるべき店名の注意点
店名を考える時は、他店と似ていないか確認することはもちろん、覚えにくかったり、誤解を与えたりするような表現を避けるよう注意しましょう。
他店と似た店名は要注意
店名を付ける時は、近隣の同業店が似たような名前を使っていないか必ず確認しましょう。わずかに名前が違っているだけも、お客さんにとってはどちらも似たような名前に見えてしまいます。場合によっては、先に出店したお店に「営業を妨害している」という誤解を与えるかもしれません。
なお、「商標登録」されている他店の店名は使用できません。故意に使用すると、商標法違反によって罰せられてしまいます。
読みにくい店名は覚えにくい
マニアックな言葉や、発音しにくい単語、読みにくい漢字を店名にすると、お客さんに名前を覚えてもらいにくくなります。
響きが格好良く、オーナーにとって意味のある単語を選んだとしても、お客さんにとっては読みにくく意味が通じないかもしれません。店名を考えた時は、お店のコンセプトが伝わるかどうか、第三者に感想を聞いてみましょう。
誤解を与えてしまう店名
店名に使用する単語は、できるだけ、お店の業種をイメージさせるものが理想的です。特定の業種をイメージさせるワードを他業種の店名に使用すると、お客さんに不信感を与えてしまう恐れがあります。
例:
● 「△△キッチン」を飲食店か料理教室と思ったが、実際は業務用スーパーだった
● アイスを食べたくて「○○アイス」というお店に入ったが、飲食店ではなかった
● 和食が食べられると思って、店名に「和」が付いた飲食店に入ったのに、イタリアンだった
など
覚えやすい店名の共通点
店名を覚えてもらいやすいお店ほど、売上も期待できます。お店のコンセプトやターゲットに伝わるような店名を考え、読みやすさやオリジナリティなどもよく検討しましょう。
コンセプトやターゲットに合っている店名
印象に残りやすい店名かどうかは、お店のターゲットによっても左右されます。若者向けかシニア向けか、主婦向け、子供向け、学生向け、社会人向けなど、ターゲットが好むワードを店名にすることで、お店のコンセプトも伝わりやすく、お客さんに安心して足を運んでもらえる可能性が高くなります。
テンポが良く覚えやすい店名
発声した時にテンポがいい店名だと、思わず口ずさんだり脳内で無意識に再生されたりして、お店を覚えてもらいやすくなります。
思わず声に出したくなる店名であれば、利用してくれたお客さんから、「昨日××に行ったよ」という風にクチコミで紹介してもらえる可能性も高くなるでしょう。
店名を思いついた時は、実際に発声してみて、言いにくかったりテンポが悪かったりしないか確認することがポイントです。
地域内に一つしかない店名
他店と似ていない店名を付けることは、他店との差別化にも有効ですが、ご自身のお店が検索結果の先頭に表示されるというメリットもあります。
付けようとしている店名を、出店予定地で検索し、似た名前が表示されないかチェックしてみましょう。
店名を考える時に知っておきたいテクニックやサービス
ネーミングに行き詰まった時は、視点を変えてショルダーネームを考えたり、オンラインのネーミングサービスからヒントを得たりすると良いでしょう。
まずは「ショルダーネーム」を考えてみる
ショルダーネームとは、お店のサブタイトルのことで、「創作居酒屋○○」や「個室ダイニング△△」のように、お店の内容をより伝える目的で付けられます。
「様々な思いを込めて付けた店名を変えたくないけど、今の店名ではどんなお店か伝わらない」「ありきたりな店名で印象が薄い」というお店でも、ショルダーネームを付けることによって、お客さんにお店の情報をより伝えることが可能です。
店名が思いつかないという時は、先にショルダーネームを考え、語呂や文字の並びに合う店名を後から考えてみましょう。
オンラインのネーミングサービスを使う
店名に使う単語が思い浮かばない、関連する単語の調べ方がわからないという時は、ネーミングサービスを利用してみましょう。
例えば、「Wordoids( http://wordoid.com/ )」では、画面左下のフォームに単語を入力し、「Create wordoids」の青いボタンを押すと、入力した単語を含んだ造語を作成できます。
その他、「ネーミング情報サイト 名付け親( http://bds.ne.jp/index.htm )」では、ネーミングのヒントや造語を作る時のテクニック、特定の単語に関連したワードを抽出してくれるサービスなどが用意されています。
おわりに
店名はお店のコンセプトを伝えるツールですが、少ない文字数でお店を的確に表現することは、専門家でも頭を悩ませる作業です。悩みすぎて着地点を見失った時は、オンラインサービスを使ってヒントを得たり、第三者に発声してもらったりして、別の視点も取り入れながら店名を練ってみましょう。