起業したい、または売上をもっと伸ばしたいと考えて起業セミナーへの参加を検討している人も多いかと思います。
しかし、やみくもにセミナーを受講しても起業や経営に役立てられなければ意味がありません。
そこでこの記事では、起業セミナーの種類や参加する前に知っておきたい3つの心構えをご紹介します。
起業前・後の情報収集ができる起業セミナー
会社法の改正に伴って資本金の最低額が撤廃されたことにより、起業のハードルは以前に比べれば随分低くなったと言えるでしょう。
とはいえ起業したからといってすべての人が成功するわけではなく、なかなか実行に移せず踏み止まっている方が多いのも事実です。
このように、起業に不安を抱えている人や経営に悩んでいる人に、ノウハウやアドバイスを提供すのが起業セミナーです。
起業セミナーの種類と内容
起業セミナーには主に以下のような種類があります。
・起業前の人を対象にしたセミナー
起業を考えている人向けに、登記の方法や起業にかかる費用、事業計画書の作り方といった具体的なアドバイスを行うセミナーです。
起業を検討している全ての人を対象としたもの以外にも、「○歳からでも始められる起業の方法」や「△△業界で成功するコツ」のように、受講者のターゲットを絞っているセミナーもあります。
・資金調達の方法を解説するセミナー
節税テクニックや金融機関への融資審査を成功させるコツ、助成金や補助金の利用方法などを紹介するセミナーです。
資金調達関連のセミナーは税理士やファイナンシャルプランナーが主催していることが多く、セミナー後にパンフレットを渡されることもありますので、参加する際はその点も頭に入れておきましょう。
・マーケティングに関するセミナー
SNSの活用術や商品開発といった、売上を伸ばす方法をアドバイスするセミナーです。
ご自身の業種がターゲットになっているセミナーであれば、より具体的なアドバイスを得られるでしょう。
起業セミナーに参加する前に肝に銘じておきたい3つの心構え
起業セミナーへの参加を有意義なものにするためには、参加する前に以下の3つを肝に銘じておきましょう。
参加すること自体が目的になってはいけない
起業セミナーは、受講中よりも受講後の自分を想像して参加することが大切です。
セミナーに参加して一番恐ろしいのが、参加しただけでわかったつもりになってしまうことです。
「セミナーに一度も参加したことがない」という成功した経営者もいれば、「セミナーに沢山参加したけど結局起業に至らなかった」という人もいます。
起業セミナーに参加しただけで満足してしまい、起業に向けた具体的な行動が先延ばしにならないよう注意しましょう。
有料セミナーが必ずしも有益とは限らない
セミナーには、無料で参加できるものと参加費用が発生する有料のものがあります。
有料セミナーと聞くと無料よりも情報量が多そうに感じ、「お金を払ってでも参加したい」という熱意のある人が集まる気がして有意義に見えてしまうかもしれません。
しかし、セミナーの質を決めるのは会費の有無ではありません。
「ネットで検索すればわかるようなことしか教えてくれなかった」と感じるような有料セミナーでは、せっかく投じた時間とお金が無駄になってしまいます。
あるいは、勧誘や講師の本の販売が目的だったとわかりがっかりすることもあるでしょう。
セミナーに参加するときは有料・無料に関わらず、講師や主催団体のバックグラウンドを必ず調べておきましょう。
これまでどのような業界に身を置き、どのような活動をしてきた人物・団体かがわかれば、セミナーの内容も想像しやすくなります。
そのほか、過去の開催実績や参加者の口コミといった客観的なデータを集めることもおすすめします。
セミナー内の人脈を期待し過ぎないこと
起業セミナーは同じ志しを持つ人と知り合う場でもありますので、人脈づくりのために利用したいと考えている人もいるかもしれません。
しかし、人脈づくりが目的で参加する人はセミナーに参加する目的を見失っていることが多く、そもそも起業すらしていない人もいます。
そんな場所で形成された人脈より、実際に会社を経営して知り合った人と交流する方がよほど有益です。
起業をしたこともない人と始めてもいない経営について語るよりも、実際に起業するほどの行動力を持った人と接する時間を大切にしましょう。
起業セミナーをより良いものにするのは自分自身
起業セミナーは、モチベーションアップには有効と言えるでしょう。
しかし、セミナーに何回参加しても起業することはできません。
ましてや確実に経営を成功に導いてくれるわけでもなく、経営に失敗したからといって保証してくれるものでもありません。
起業をするのは誰でもない自分自身であることをしっかり自覚しておきましょう。
「目標」があれば起業セミナーはより良いものになる
セミナーをただのモチベーションアップで終わらせないためには、「目標」を明確にして参加することが大切です。
目標はセミナーが有益か無益かを見極める判断基準となります。
目標さえ定まっていれば、実際に参加したときに「自分には向いていない」や「良さそうなのでこの講師の本を買ってみよう」など、次のアクションを決めることができ、なんとなくだらだらとセミナーに参加し続けることもないでしょう。
「このセミナーをヒントにして新しい企画を3つ考える」「今行き詰まっているアイデアのヒントを得る」など、最低でも達成したい目標を決めてセミナーに参加しましょう。
おわりに
いくつもの起業セミナーの概要を眺めていると「参加すればチャンスが掴めるかもしれない」とわくわくしてしまうものです。
しかし、参加する自分自身に起業に関する具体的な目標がなければ、セミナーを有意義なものにはできないでしょう。
受講後に起業へ向けた具体的なアクションが起こせるセミナーかどうか、よく見極めて参加を検討しましょう。