多くのお客さんに利用してもらうためには、店舗の見た目だけでなく、家具や設備の配置方法なども工夫しなければなりません。
店舗デザインのプロである「店舗デザイナー」に依頼すれば、お客さんに店舗を気に入ってもらえるだけでなく、どんなデザインにしようか悩んでいるオーナーの不安も和らぐでしょう。
この記事では、店舗デザイナーの業務内容について、依頼する時のメリットや注意点などと併せて解説します。
店舗デザイナーとは
店舗デザイナーとは、店舗全体のデザインを専門的に行うデザイナーです。店舗の内装や外観デザインはもちろん、商品のディスプレイ、使用する什器、照明や音響などもデザインに含まれます。
さらに、オーナーが思い描くプランが現実的か判断し、予算などと照らし合わせながら実現させることも、店舗デザイナーの大切な仕事と言えるでしょう。
店舗デザイナーは店舗のためのデザインを考えてくれる
店舗のデザインは、他のお店と差別化するうえで重要なポイントです。
また、若者向けのファーストフード店、大人向けのバル、健康志向の方向けのオーガニックショップなど、店舗のデザインは業種や取り扱うサービスによって方向性が異なります。店舗のテイストに併せて色使いや素材を使い分けたり、カウンター席とテーブル席の数を調節したりして、滞在時間や過ごし方に合ったデザインを考えなければなりません。
さらに、年齢や性別、国籍などが異なる様々な人が利用する店舗は、不特定多数の人に受け入れられるようデザインする必要があります。
上記のように、店舗には「店舗ならではのデザイン」が存在するため、言わば店舗デザイナーはこれらのノウハウを熟知したスペシャリストと言えるでしょう。
店舗デザイナーに依頼するメリット
店舗デザインを店舗デザイナーに依頼すると、店舗のオープン時だけでなく、オープン後も様々なメリットが得られます。
店舗デザインで売上を伸ばせる
店舗デザインはお店の売上と密接に関係しています。色の使い方や素材の選び方、家具の置き方、内装材の組み合わせ方などを工夫するだけで、お客さんの購買意欲を高めることが可能です。
「商品が綺麗に見える照明の当て方」、「レジに行くまでに他のアイテムも手に取らせる工夫」、「長時間座ってもストレスにならない客席の作り方」、「もう一品頼みたくなるメニューの置き方」など、店舗に足りない要素をプロのデザイナーから提案してもらうと良いでしょう。
お客さんと従業員が過ごしやすい店舗になる
店舗デザインは、内装材や家具を選ぶだけではありません。家具や設備の置き方、間取りや照明などを工夫し、お客さんにストレスを与えず「また行きたい」と思わせることも店舗デザインの一環です。
お客さんが滞在するフロアだけでなく、バックヤードから客席までの道のりといった従業員の動線もスムーズにすることで、オペレーションにも無駄がなくなり、よりお客さんが過ごしやすいお店となるでしょう。
オーナーが理想とする店舗デザインを具現化してくれる
店舗デザイナーは、オーナーの希望をヒヤリングして打ち合わせを重ねながら、オーナーが頭で思い描いているプランを具現化してくれる存在です。
「男性が好むオシャレな内装にしたい」といった、漠然としたイメージしか思い浮かばないオーナーでも、店舗デザイナーとの打ち合わせを重ねるうちに、「フロアはコンクリート、天井は躯体現し、ヴィンテージ家具を置いて渋い店内に」など、店舗のイメージを具体的に思い描けるようになるでしょう。
店舗デザイナーを選ぶ時の注意点
店舗デザイナーを選ぶ時は、デザイナーの過去の業績や、店舗のデザインに関する資格の有無などから、ご自身の店舗デザインに相応しい人物か判断することが大切です。
店舗デザイナーの形態は様々
店舗デザイナーは、ハウスメーカーやリフォームショップ、工務店、設計事務所に所属している人もいれば、独立してフリーで活躍している人もいます。
内装工事を依頼する業者に店舗デザイナーが在籍していれば、工事と併せてデザイン部分を依頼することも可能です。依頼する際は一社だけで決めてしまわず、2〜3社から工事代とデザイン料それぞれの相見積もりを取って、プランの内容や金額を比較しましょう。
また、住宅だけでなく「店舗」のデザイン実績があるかチェックすることも大切です。
店舗デザインに関係する資格の有無
店舗デザイナーになるための資格はありませんが、以下の資格を持っている店舗デザイナーであれば、専門性はさらに高くなります。
資格の種類 | 店舗デザインとの関連性 |
---|---|
建築士 | 建築の高い専門知識を有する国家資格。 |
インテリアコーディネーター | インテリアデザインに関する知識とスキルを持つ人に与えられる資格。 |
カラーコーディネーター検定 | 色に関する専門知識を持つ人に与えられる資格。店舗デザインなど商業分野の専門性が高い。 |
色彩検定 | 色に関する専門知識を持つ人に与えられる資格。ファッション分野の専門性が高い。 |
おわりに
店舗デザインのスペシャリストである「店舗デザイナー」に依頼することで、開業時に、オーナーが一人で店舗デザインに頭を悩ませる必要もなくなり、お店の売上をさらに伸ばせるかもしれません。
デザイナーの過去の業績や資格の有無、打ち合わせ時の話しやすさなどをよく調べて、ご自身の店舗デザインを任せられる人物を探しましょう。
店舗施工事例
以前からお取り引きさせて頂き、現在は社内の複数ブランド様にご紹介いただき非常に懇意にして戴いているお客様になります。会社の創立記念日に併せて店舗をオープン。タイトなスケジュールの中で様々な面でご協力いただき施工致しました。店舗オープン日に株式上場を果たす記念すべき店舗のデザイン・施工をお任せいただく大変光栄な機会を頂戴しました。
施工概要
坪数=70坪、設計1カ月半、工事期間=2週間で仕上げました。
お客様のご要望
デザイン力を活かして、ステキな店舗に仕上げて欲しいというオーダーにて当社デザイナーにお任せいただきました。
デザインの特徴
エントランス周辺はドレス屋さんを思わせる洋風テイストのつくり、そこから店内への導線が和を想起させるようにしたい。というご意向でした。呉服&振り袖の販売を行い、店内で着付け教室を行います。撮影スタジオを2機ご用意しました。着付け室、メイクルーム、モニタールーム(写真チェック室)、お客様の待合スペース、販売スペース モニタールームとレイアウトをつくりつつも、複合施設であるが故に様々な面でモール側に配慮するべく、プランニングに非常に多くの時間を費やして慎重にデザインを進めました。