リフォームを依頼できる業者には、様々な種類があります。
しかし、業者によって工事の得意・不得意が異なりますので、行うリフォームの内容に応じた業者選びが必要です。
この記事では、8種類のリフォーム業者の特徴と、リフォーム業者選びで押さえておくべきポイントについて解説します。
フルリフォームに向いている業者
内装の大規模なリノベーションや、増改築を伴う二世帯住宅化などの、フルリフォームを得意とするリフォーム業者には、
- ハウスメーカー
- リフォーム専門会社
- 設計事務所
- 工務店
などがあります。
ハウスメーカー
ハウスメーカーは、新築住宅の受注をメインとしていますが、新築住宅部門とは別に、リフォーム部門を設けているところも増えています。
家づくりのノウハウを持っていることに加え、過去に家を建てた顧客の定期メンテナンスを行っているため、家全体のリフォームに長けています。
リフォーム専門会社
リフォーム業に特化した業者です。戸建て・マンション・店舗・倉庫など、業者によって得意とする建物は様々ですが、新築住宅の受注は行わないところがほとんどです。
外装・内装、部分リフォーム・フルリフォームなど、部位や規模を問わず、あらゆるタイプのリフォームを依頼することができます。
設計事務所
建築士に、リフォームの設計と現場管理を依頼できます。
工事を行うのは建築事務所の下請け業者ですが、建築士主導のもと現場管理が行われるため、工事業者の手抜き抑制効果があります。
他のリフォーム会社が、設計部分のみ建築士に委託することも多く、そのプランニング力は優れており、バリアフリー化や狭小住宅のリノベーションなど、顧客のニーズを反映させたリフォームが可能です。
ただし、建築士への設計料が工事費用とは別に発生します。
工務店
全国展開せず、施工エリアを自社の近辺に限定した、地元密着タイプの業者がほとんどです。
リフォーム・新築のどちらも請け負っている所が多く、さらに、下請け業者から独立した職人の在籍率も高いため、技術力には定評があります。
部分リフォームに向いている業者
お風呂のみの交換や、カーポート単体の設置といった、部分的なリフォームを得意とする業者もあります。
主に、
- 塗装専門店
- 設備工事店
- ホームセンター
- 家電量販店
などが、部分リフォームを得意とする業者です。
塗装専門店
外壁・屋根の塗装・張替え・葺き替え、防水工事などを行う、外装リフォーム専門店です。
雨漏りの補修や外壁のひび割れなど、外装全体の点検と補修を依頼することができます。
塗装職人のみで構成された業者のほか、内装や外装のリフォームを手掛ける業者もあります。
設備工事店
設備工事とは、水道・電気・ガス関連工事のことです。
配管の不具合や電圧の変更だけでなく、お風呂やキッチンの交換リフォームや、太陽光発電システムの設置など、単体リフォームを依頼できる所もあります。
ただし、家全体のリノベーションは不得手な傾向にあります。
ホームセンター
全国チェーンのホームセンターでも、リフォームを依頼することができます。
他のリフォーム業者に比べると、部材価格が安いという特徴がありますが、リフォーム業は専門分野ではありません。
そのため、設計や工事を、ホームセンターが依頼した下請け業者が行うことが多く、ホームセンターの担当者やお店の雰囲気が良くても、工事業者と意思の疎通が取れず、思うような工事にならないリスクもあります。
家電量販店
家電量販店のリフォーム事業です。
ホームセンターと同様に、低価格でキッチンやお風呂などの部材を購入することができます。
しかし、スタッフにリフォームの知識がないと、工事業者に施主の要望を伝えられず、理想のリフォームとならない恐れがあるため、スタッフやショップの実績をよく確認しておく必要があります。
ベストなリフォーム業者の選び方
リフォーム業者を選ぶポイントは、業者の特徴を知ることだけではありません。
工事部署の有無も、依頼する前に必ず確認しておきたいポイントです。
全国的に有名な大手メーカーでも、理想のリフォームが行えない可能性もありますので、できるだけ多くのリフォーム業者と打ち合わせて、相性を確かめましょう。
自社に工事部署があるかどうか
自社に工事部署があるということは、会社のスタッフが工事を直接行うということでもあります。
そのため、中間業者へ支払うマージンがリフォーム費用に上乗せされず、純粋な工事価格のみで依頼することが可能です。
ただし、工事部署があっても、
「キッチンの設置はできるが、配管作業は下請け業者が行う」
「塗装工事はできるが、足場の設置は足場業者に依頼する」
といったケースもあるため、ホームぺージの資格欄などから、行える工事の種類を把握しておきましょう。
「大手メーカー=安心」とは限らない
全国的に有名な大手のハウスメーカーやリフォーム専門会社は、知名度も実績も高く、安心感があります。
しかし、前出の通り、工事部署を設けていないリフォーム業者では、工事費用にマージンが発生してしまい、全国にCMを流していれば、宣伝費や広告費なども上乗せされる恐れがあります。
また、メーカー指定の業者や工法を使わなかった場合、保証の対象外となるケースもあるなど、柔軟性に欠ける点も否めません。
おわりに
ベストな業者を選んで、リフォームを成功させるためにも、まずは、行いたいリフォームの内容と目的を明確にしておかなければなりません。
どこをどのようにリフォームして、工事後にどうなりたいかを明らかにできれば、リフォーム業者からの提案も具体性を帯び、選ぶべき業者かどうかを見抜きやすくなります。
その時に、リフォーム業者の特徴も押さえることができていれば、行いたいリフォームに詳しい業者が見つけやすくなるでしょう。