満足の行くリフォームを行うためには、1社からの見積もりだけで即決せず、複数の業者から「相見積もり」をとって比較する作業が大切です。
この記事では、相見積もりをとる時の心構えや、役立て方など、リフォームを成功させるためのポイントなどをご紹介します。
賢くリフォームするために相見積もりをとろう
「相見積もり」とは、1件の工事またはリフォームに対し、複数の業者から見積もりをとることを指します。
同じリフォーム業者でも、料金の設定方法や、部材の価格、工事までのプロセスなど、その特徴は様々です。複数の業者から相見積もりをとることで、費用だけでなく、業者の提案力や接客態度なども比較することができます。
相見積もりに気を遣う必要はない
「他の業者で相見積もりをしていることがバレたら、営業マンの気を悪くするのでは?」と不安になられる方も多いようです。しかし、相見積もりをとったからと言って、負い目を感じる必要は全くありません。
リフォーム工事では、相見積もりをとることは、もはや常識となっています。そのため、業者側も、大半のお客様が相見積もりをとるであろうことは、ある程度予測しています。
相見積もり先の業者名や金額まで教える必要はありませんが、もし業者から「他にも相談した業者はありますか?」と聞かれた時は、堂々と伝えても問題ありません。
相見積もりを賢く利用する2つのポイント
やみくもに複数の業者で相見積もりをとっても、良いリフォームが行えるわけではありません。
相見積もりをとる時のポイントは、
1.同じ条件で相見積もりを依頼する
2.金額以外の項目も比較する
の2つです。
1.見積もりは同じ条件でとること
相見積もりのメリットは、同じリフォーム内容で、それぞれの業者の特徴を比較できることです。
そのため、相見積もりをとる時は、すべての業者に同じ条件を伝えておかなければ、正確に比較することができません。
もし業者から、別の条件を勧められた時は、業者が提案した条件とは別に、こちらが最初に伝えた条件の見積もりも、同時に作ってもらうよう依頼すると良いでしょう。
2.相見積もりで比較する箇所
相見積もりでは、必ず以下の内容を比較しましょう。
☑価格差
複数の業者間で、まず比較すべき内容といえば、金額です。
この時、「総額」だけを比較するのではなく、項目ごとの費用も比較しておきましょう。例えば、キッチンリフォームでも、キッチンの本体価格、組み立て費用、電気工事費用、廃材処分費用など、複数の項目が含まれています。
☑工事内容
前述のとおり、リフォーム工事は、複数の工事がひとまとめになっています。そのため、同じリフォーム内容でも、業者によって提案内容は全く異なることがあります。
例えば、
「A業者では、床下の点検まで見積もりに含まれているが、B業者では張替え費用しか記載してしない」
「C業者は、元のキッチンと同じ条件で使うなら、換気扇工事も必要と説明してくれたが、D業者は換気扇工事について何も言わなかった」
など、少しでも疑問に思うことがあれば、契約する前に、必ず業者に確認しておきましょう。
☑提案力
見積もりを見る時に最も大切な作業は、こちらの希望を、業者がどこまで汲み取ってくれるか吟味することです。見積もりの時点で意思疎通がうまく取れない業者は、実際の工事も、思い通りに進めてもらえない恐れがあります。
- カタログで指定した製品がちゃんと選ばれているか
- 指示した色やオプションがついているか
- 頼んでいない工事まで見積もりに勝手に追加されていないか
- 予算通りになっているか
など、最初に伝えた条件が、きちんと見積もりに反映されていることを確認しておきましょう。
相見積もりをとる時の注意点
リフォーム業界で当然の流れになっているとはいえ、相見積もりにも作法があります。
相見積もりをとったために業者の信頼を失ったり、不利な立場になったりすることがないよう、注意しましょう。
4社以上から見積もりをとっても結果は同じ
複数の業者に何度も足を運び、そのたびに説明や現場調査に立ち会っていていは、非常に多くの時間と労力を伴い、いつまで経ってもリフォームに進むことができません。そのため、相見積もりをとる業者は、2,3社に留めておきましょう。
この時、地元で評判の業者や、知り合いが過去に依頼したことのある業者など、安心してリフォームを頼めそうな業者をあらかじめ絞っておくと、効率よく相見積もりをとることができます。
無理な値引き交渉はマナー違反
リフォームを予算内で行うためにも、希望する金額を伝えておくことは大切です。
しかし、「A業者の見積もりでは〇〇工事が△△円になっているので、この料金以下にしてほしい」
のように、他社の見積もり金額を利用して、値引き交渉を行う行為はご法度です。
リフォーム業者が作る見積もりの金額には、工事を行うために最低限発生する「原価」と、事業を続けるために不可欠な「利益」が含まれています。値引き額はあくまでも、端数調整のためのわずかな金額です。
もし、過剰な値引き交渉に応じる業者があれば、安い料金に合わせて、安全のために行うべき補強工事を省いたり、価格の安い建材を使われたりする恐れがあります。質の悪いリフォームを免れるためにも、値引き交渉は避けておきましょう。
おわりに
相見積もりによって、金額の比較だけでなく、業者の誠実さや相性を見抜くこともできます。
希望するリフォームを、適正価格で確実に行うためにも、1社からの見積もりだけでなく、2,3社から相見積もりをとって、工事内容をしっかりチェックしておきましょう。