オフィス移転が決定し、移転先の物件も決まった頃には、いよいよ本格的な移転の準備が始まります。
業務量が非常に多く、あちこちで手続きが発生するオフィス移転を、漏れなくスムーズに進めるためには、余裕を持った準備が欠かせません。
この記事では、オフィス移転で特に漏れなく進めておきたい8つの準備についてご紹介します。
業務のリストアップと分担で準備作業の負担を減らそう
オフィス移転は、人やお金が大きく動き、あらゆる方面での手続きが発生します。
準備がスムーズに、かつ負担なく行えるように、どの業務がどこまで進んだか、常に担当者同士で把握できる体制を作っておきましょう。
リストアップして業務を分担する
オフィスの移転準備は、とても1人で行えるような業務量ではありません。
そのため、最低でも3人以上のメンバーを選出し、オフィス移転を進める専門部署を設け、業務を分担しておきましょう。
オフィス移転に向けて特に揃えておきたいのが、
・会計
・庶務
・移転先物件を探す担当者
・引っ越し業者と打ち合わせを進める担当者
の4つの担当者です。
メンバーが4人に満たないときは、手が空いている人が業務をまとめて行うなどして、通常業務に支障が出ないよう分担していきましょう。
オフィス移転に欠かせない8つの準備
オフィスの移転準備は、主に8つに分けることができます。
移転の準備がどこまで進んだかわからなくなった時は、8つの準備事項ごとに、進捗具合を振り返っていきましょう。
解約予告期間を確認する
賃貸物件を解約するときは、各物件ごとに定められた「解約予告期間」よりも前に伝えることが義務づけられています。
オフィス用物件の場合、最低でも3カ月前には知らせるようになっていますが、長い時は半年以上前に知らせなければなりません。
そのため、移転が決定した時は、何よりもまず、契約書に記載された解約予告期間を確認しておきましょう。
移転先オフィスのレイアウト作成
移転前から使っている設備・機器がそのまま使えるのであれば、新しいオフィスのレイアウトにそのまま反映させます。
レイアウトを考える時は、従業員がスムーズに移動できるか、非常口付近に倒れやすい家具を置いていないかなど、「業務効率」と「防災性」の両面を考慮しましょう。
また、新たに設備・機器を購入する場合は、既存の設備との相性も確認する必要があります。
机の高さが違ったり、イスの大きさが机に合っていなかったりすると、ちぐはぐで使いづらいオフィスになってしまいます。
オフィスレイアウトが決まったら、コンセントの位置や数、照明などの量を増やすよう、工事業者に連絡しておき、移転後すぐに接続できるよう手配しておきましょう。
引っ越し業者の見積もり
移転スケジュールがある程度固まったら、移転日の1カ月前には、引っ越し業者を確保しておきます。
できるだけ最安で安全に運搬できるように、複数の業者から見積もりを取って、最も安い料金かつ、保証も完備された業者を見つけるようにしましょう。
移転挨拶状の作成
お取引先に送る、移転の挨拶ハガキを作成します。
業務に混乱が生じないように、移転日の1カ月前までには相手に届くように、早めに文面や送付リストを作成しておきます。
挨拶状には、
・移転先の連絡先(住所、電話番号、アクセスマップ)
・移転後の営業開始日
を必ず入れ、日頃お世話になっていることへの感謝も添えて、移転先でもお付き合いを続けていただけるようにしましょう。
インターネット回線の解約・新規契約
まずは、新しいオフィスで使えるインターネット回線の種類を確認しておきましょう。
現在使っている回線よりも速度が遅くなると、業務に支障が生じてしまいます。
また、インターネット回線が使えるようになるまでは、長い時は1カ月以上かかるケースもありますので、オフィス移転が決まった時点で、できるだけ早めに回線業者に連絡しておきましょう。
設備関連の利用開始手続き
電気、水道、ガスなどが移転日にすぐ使えるよう、電話などで申し込みを済ませておきます。
電話のみで手続きが完了するものもありますが、退去日と移転日に立ち会いが必要なものもありますので、退去・移転日が決定し次第、早めに申し込んでおきます。
郵便物の転送手続き
旧オフィスに届く郵便物を、移転先に転送してもらえるように手続きします。
郵便物の転送は、郵便局で「転送届」を入手し、必要事項を記入して郵送します。
転送は1年間無料で行われますが、旧住所から転送されてきた郵便物があれば、その都度新住所に変更し、旧住所宛ての郵便物が無くなるようにしましょう。
官庁への届け出
税務署やハローワークなどで、移転手続きを行います。
オフィス移転の連絡が必要な官庁リスト
・法務局
・税務署
・社会保険事務所
・ハローワーク
・労働保険組合
・消防署
・警察署
官庁ごとに、提出する書類の種類と手続きの期限は異なりますが、いずれも、移転日の翌日には手続きが行えます。
できるだけまとめて手続きが行えるように、必要な書類を早めに準備しておきましょう。
スムーズにオフィス移転するには準備が肝心
オフィス移転は、当日の引っ越し作業以上に、移転前の準備に膨大な時間を要します。
また、引っ越し作業が長引くと、その分、通常業務が行えなくなってしまいますので、引っ越しが最短で終わるように、移転前の準備は余裕を持って進めましょう。
まずは全体のスケジュールを作成する
移転の準備が漏れなく行えるようにするためには、より正確な移転のスケジュールを把握しておく必要があります。
移転までの日数を逆算し、手続きが行えるタイミングで、スケジュールに組み込んでいきましょう。
また、スケジュールの進捗状況は、移転担当者で細めに打ち合わせを行い、上層部だけでなく、他の従業員にも報告しておきましょう。
引っ越し後すぐにオフィスが使えるように
オフィス移転で何よりも重要なのが、移転後すぐに業務に取り掛かれるかどうかです。
せっかく家具や設備を搬入しても、電気やインターネットが使えなければ、業務が行えません。
どの手続きも、なるべく1カ月前には、窓口や担当者に移転スケジュールを伝え、最短で処理できる日を教えてもらいましょう。
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おわりに
オフィスの移転は、高額な費用が発生し、複雑で細かい手続きを伴います。
初めのスケジュール作成の段階で、どれだけ全体像を把握できているかで、移転準備のあわただしさが決まると言っても過言ではないでしょう。
まずは移転までの現実的なスケジュールを立て、担当者ごとに公平に業務量を分担し、余裕を持って移転の準備が行えるよう計画しましょう。