目次
起業を考えている人の多くが、
「自分は経営者に向いているのか?」
「起業を成功させることができるだろうか?」
など、経営者としての素質が自分にあるか不安になるものです。
確かに、成功している経営者には、性格や行動に「共通点」があります。
ですが、これから起業をしようと考えている人や、すでに経営者として歩み始めている人でも、成功者に共通する特徴や経営者に向いている性格を知ることができれば、大きく成長することができるでしょう。
この記事では、成功者の特徴、経営者に向いている人の特徴などを解説しながら、経営者としてのスキルアップや人脈拡大にも有効な「経営塾」についてもご紹介します。
成功している社長や経営者の特徴
成功している社長や経営者には、考え方や行動に以下のような特徴があります。
成功者は「失敗」も多く経験している
成功している人は、挑戦の回数が圧倒的に多いものです。また、挑戦の数だけ沢山の「失敗」も経験しています。
つまり、成功するためには「トライアンドエラーの繰り返し」が必須と言っても過言でありません。
最初はうまく行かなくても、失敗を反省して次の挑戦に活かすことで、知識やスキルは後から身に付いて行きます。「失敗するかもしれない」と尻込みして、いつまでも結果の出ない勉強を続けるよりも、行動できる状態になったときにすぐ動く大胆さが必要です。
成功者は本から知識を得ている
成功している社長や経営者の多くは読書家です。国境や時間を越えて、作者の考えや思想、体験などを知ることができる本は、何よりも効率の良い学習ツールと言えます。
「あの本で海外の珍しい風習が紹介されていたな」「むかし読んだ本で、こんな技術が紹介されていたな」などのように、本から得た多様な知識は、ビジネスアイデアをひらめくヒントに繫がるでしょう。
ビジネス書だけでなく、小説やノンフィクションなど幅広いジャンルの本も読むことで、集中力や表現力、柔軟性といった、経営者に必要な様々なスキルが身につきます。
成功者は人に与えることが好き
成功している人は、他人に「与えること」を喜びとします。ただしこれは、会う人全員にやみくもにプレゼントを贈ったり、見返りを求めて他人のご機嫌を取ったりするという意味ではありません。
自分を犠牲にしてまで他人に与えすぎた結果、自分が破産しては本末転倒です。また、見返りを求めて打算的に行動すれば、相手から「あの人は他人を利用している」と思われ、次のビジネスチャンスも失ってしまうでしょう。
成功している経営者は、自分と他人の両方にメリットが生まれるように行動し、かつ、双方が得られる利益を最大化しようと動きます。こうして相手のために動いた結果が評判や実績となり、事業をさらに拡大させて行くことができるのです。
お金を自己や会社の成長に投資する
成功している経営者は、入ってきたお金を自分や会社に惜しみなく投資します。「次の事業の資金にしよう」「会社がもっと効率良く動くように設備に投資しよう」など、自分や会社のためにお金を使い、ビジネスと関係のない浪費には手を出しません。
知識や教養を深めるための本や、従業員が快適に働けるオフィス環境の整備、業務を効率化するための外注システムなどに投資を続けていれば、投資したお金以上の利益が帰ってくるでしょう。
成功者にはメリットだけでなくデメリットもある
ビジネスが成功すれば、大きな報酬が得られます。年収が上がれば、月々の生活費に怯える心配もなくなるでしょう。ワークスタイルによっては、世界中を旅行しながら好きな時間と場所で働くことも可能です。
しかし、成功者には、成功するために避けて通れない「デメリット」もあります。
成功した経営者ならではのデメリット
経営者は、常に不安と隣り合わせです。誰かの会社に雇われている時と違って、経営者として、自分で仕事を見つけて収入を得なければなりません。また、常に決まった給料がもらえる会社員と違って、経営者は仕事が減ればその分だけ収入も減ってしまいます。
さらに、経営者になると誰かを雇う立場になります。経営が傾けば従業員に給料を支払えなくなり、従業員とその家族の生活も危機に晒すことになるでしょう。
これらの不安要素は、成功して事業の規模が拡大し、関わる人が増えるにつれて大きくなります。取引の金額が大きくなったり、雇う従業員の数が増えたりすれば、失敗した時のリスクも当然大きくなるでしょう。
不安を常に自覚し、不安に動じない精神状態を保つことも、経営者に求められる資質と言えます。
経営者向きの性格か自己分析してみよう
ここまで成功者の特徴を紹介して来ましたが、そもそも、成功者になるためには経営者として会社を動かして行く手腕が必要です。成功者と同様に、経営者に向いている人にもいくつかの特徴があります。
「経営者向きの性格に当てはまらない=起業できない」ではない
経営者向きの性格に当てはまらないからといって、起業に失敗するわけではありません。
大切なのは、経営者に向いているかどうかを決めてしまうことではなく、「今の自分の状態」を客観的に見つめることです。
「自分にはこんなことできない」と主観で思い込んでしまわず、「過去に優柔不断だと指摘されてそう思い込んでいたけど、どちらかと言えば思い立ったらすぐ行動しているかもしれない」のように、今の状態を客観視できるようになれば、「改善すべき短所」も「伸ばすべき長所」も見つけやすくなるでしょう。
次の項目からは、「経営者に向いている性格」の特徴をご紹介しますので、今のご自身の性格と比較してみましょう。
起業家や経営者に向いている人の特徴7つ
以下からは起業に向いている人の特徴を7つご紹介します。
1.決断力が高い
ビジネス上の問題やトラブルは、迷っているうちにどんどん深刻化して行きます。また、目の前にチャンスがあっても、手を出すかどうか迷っていると、チャンスはあっという間に消えてしまいます。従って、正しい判断を瞬時に下す「決断力」は、経営者にとって欠かせないスキルです。
また、迷ったときに最善の判断を下すヒントとなるのが、これまでの「経験」です。
「こういう交渉をしてきた会社とは、過去に何度もトラブルが起きた」「以前、似た条件で契約をしたときトラブルになったから、契約書の内容を弁護士にしっかり調べてもらおう」などのように、過去の経験がヒントとなって、正しい決断に導いてくれるでしょう。
決断力のある経営者になるためには、成功体験だけでなく、様々なトラブルや失敗を乗り越えてきた苦労も積み重ねておかなければなりません。
2.行動する人だけが成功する
どんなに素質があって資金がふんだんに用意できていても、行動しなければ何も生み出すことはできません。
もちろん考えなしにやみくもに行動してばかりでは、大きなトラブルを招いてしまいます。
「この仕事が落ち着いたら着手したい」「人材が集まったら手を出したい」など言い訳をして先送りにせず、思いついた時点ですぐに着手するような行動力が、成功するための絶対条件です。
3.自分の感情に振り回されない
成功する経営者は、「今自分は少しイライラしているな」「今自分は浮かれているので気を引き締めないといけない」などのように、常に自分の感情を客観視してコントロールすることができます。
「人間は感情の生き物」と言われますが、決断力や行動力があっても、それが怒りや悲しみといった感情に由来するものでは、良い結果は生み出せません。
怒りでカッとなったり、不安で悲観的になったりしているときは、正しい判断ができなくなってしまいます。また、嬉しいことがあって浮かれた状態でも、注意力が散漫になって正常な判断は下せないでしょう。
4.新しい技術や考え方を受け入れる
業界のトレンドに敏感で、常に自分のアイデアを積極的に提案する優秀なスタッフが会社に加われば、会社は大きく成長することができます。そのためには、経営者自身が新しい技術や考え方に敏感でいなければなりません。
新しい技術がとっくに開発されているにも関わらず、経営者が古いやり方を強引に押し通していると、新しい技術を身に付けた他社から抜かされてしまいます。
さらに、もし従業員が仕事効率化のために新しいやり方を提案しても、経営者側が古いやり方にこだわって却下し続けていると、従業員は「この会社に残り続けても先がない」と思うようになり、他社に移ってしまうでしょう。
また、現在は「働き方改革」に関する取り組みが、全国の様々な企業で導入されています。従業員全員が安心して働ける労働環境を作るためにも、経営者側が、新しい働き方を柔軟に受け入れる必要があります。
5.常に無数のアイデアを考えている
優れた経営者はいくつものアイデアを頭の中にストックしています。
思いついたアイデアをすべて実行する必要はなく、もし新しい技術や事業が目の前に現れたとき、一度でも似たようなアイデアを過去に思いついていれば、それらをどうビジネスに活かせるか瞬時に判断できるでしょう。
反対に、一度もその事業について考えたことがなければ、チャンスをチャンスと気づけずにみすみす成功を逃してしまうかもしれません。
6.人との縁を大切にする
出会った人やお世話になった人との縁を大切にできるかどうかも、経営者にあるべき素質と言えるでしょう。
「あのとき一度会話しただけなのに、名前を覚えてくれていた」
「随分前に取引しただけなのに、社屋移転のお祝いをくれた」
など、過去のやり取りを覚えてもらえていれば人は誰でも嬉しいものです。
ただし、自分への見返りを求めて八方美人な行動ばかり続けていれば、いずれ周囲から愛想をつかされてしまいます。常に相手のために行動を起こすことが、成功者流の人付き合いなのです。
7.人に頼るべきタイミングを知っている
成功する経営者は、人に頼るタイミングを知っています。自分にできないことや苦手なことでも、得意な人に任せればクオリティは上がり、圧倒的な時間の短縮にもなります。
「これは自分の専門外だな」と感じたときに、その道のスペシャリストと知り合うことができれば、やがて同じ問題にぶつかっても「あの人にまた相談しよう」と、再び力を借りることができます。
反対に、人に頼れずに自分でなんでも抱え込んでしまうと、時間を浪費したにもかかわらず仕事のクオリティは下がり、スキルを持った頼れる人物にいつまで経っても出会えないという悪循環に陥ってしまうでしょう。
経営塾でスキルを磨いてみるのも成功の近道?
経営者としてのスキルを伸ばしたいのであれば、「経営塾」に入るという方法もあります。
経営塾には様々なタイプがあり、
・講師を呼んで経営に関するノウハウを聞くもの
・事業計画の立て方など経営者に必要なスキルを学べるもの
・企業が開催し、企業の経営理念を紹介するもの
など、タイプによって学べる内容や参加者、講師も違います。
参加する際は、「経営者として何のスキルを伸ばしたいのか」をよく考えて塾を選びましょう。
以下からは、現在開催されている経営塾の一例をご紹介します
日経ビジネス経営塾
日経ビジネス セミナーのご案内
「日経ビジネス経営塾」は、経営者向け情報誌「日経ビジネス」が開講している経営塾です。
月に一度、国内大手企業の経営者を招いて行われる講義では、質疑応答の時間を通して著名な経営者と直接やり取りすることもできます。
定員も50名に絞られているため受講者同士の交流が生まれやすく、幹部候補生や経営者などモチベーションが高い人が参加していることから、講義が終わっても人脈を活かしてビジネスのヒントなどを得られるでしょう。
大前経営塾
大前経営塾
「大前経営塾」は、世界的な経営コンサルタントとして知られる大前研一氏が、自ら塾長を務める経営塾です。
経営者としてのあり方をただ一方的に説くような講義ではなく、映像や本、ディスカッション、合宿などを通して、参加者に「自力で答えを見つける力」を身に付けさせるプログラムが組まれています。
松下幸之助経営塾
【経営セミナー】松下幸之助経営塾|PHP研究所
「松下幸之助経営塾」では、「経営の神様」とも呼ばれ、一代でパナソニックを作り上げた、故・松下幸之助氏の経営理念を学ぶことができます。
松下氏がどうやって企業を育てたのか、その根底にあった氏の考え方はどう育まれてきたかなどについて、企業の経営者本人または後継者を対象に、10カ月かけてセミナーが行われます。
このように、企業の経営者本人の考えを学ぶタイプの経営塾としては、京セラの創業者である稲盛和夫氏が塾長を務める「盛和塾」などもあります。
盛和塾 – 経営の王道を学ぶ、企業家のための経営塾 –
残念ながら盛和塾は2019年12月に活動終了が告げられましたが、その活動は国内に留まらず、台湾やシンガポールなどの海外でも、多くの経営者が稲盛氏の経営哲学を学んで来ました。
おわりに
生まれ持った性格だけで成功するのは、ほんの一部の人だけです。成功した経営者の多くは、自分の性格や行動を冷静に分析し、常に自分を磨き続けています。
「自分は経営者に向いていないかもしれない」と思っている方でも、まずはご自身の長所と短所を知ることができれば、成功するためにやるべきことが見えてくるでしょう。