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法人化するメリットとデメリットを比較!個人事業主が考えるべき法人成りのタイミングとは?

個人事業主の方であれば、法人化という選択肢を一度は検討したことがあるかと思います。
しかし、現在の状態から法人成りしてメリットがあるのか、あるいは法人化することによって現在の業務に支障が生じるのではないかと不安になって、踏み切れずにいる方も少なくはないでしょう。

この記事では、法人化するメリット・デメリットと併せて、法人化すべきタイミングについてご紹介します。

法人化する4つのメリット

法人化すべきかどうか悩んだ時は、以下のメリットについて、今の事業の将来性や個人事業の状態と比較しながら検討しましょう。

節税効果が大きい

所得が大きい個人事業の場合、法人化することで節税できることがあります。

まず法人化すると
● 法人税
● 法人住民税
● 法人事業税
を支払うことになります。

一方、個人事業主の場合は、
● 所得税
● 住民税
● 事業税
を支払っています。

個人事業主にかかる所得税は、所得が多いほど税率が高くなる「累進課税」です。
法人の場合は、累進課税のように所得額に応じて税率がどんどん高くなることはありません。
また、法人税の税率の上限は25.5%ですが、個人事業の所得税は最高で45%まで上がります。
このことから、所得税の税率が法人税の税率を上回るようになった場合は、法人化した方が納める税額を軽減できるのです。

社会的信用度が上がる

個人事業主に比べると、国に認められている法人の方が社会的な信用力は高くなります。
新規の取引先にも安心感を与えられますので、個人事業の頃は縁がなかった相手と取引ができるようになるかもしれません。

また、個人事業に比べて採用面でも有利になります。
法人化していない個人事業に対して不安に感じる求職者も、法人化している会社であれば安心感を持ってくれます。

融資を受けやすくなる

個人事業主が金融機関に借入を申し込む場合、信用力が低いため審査が厳しくなるだけでなく、借り入れできる金額も狭められてしまいます。

法人であれば信用度が公的に証明されていますので、金融機関の融資を受けやすくなり、借り入れの幅も広がります。

有限責任で処理できる

個人事業で発生した負債はすべて個人の負債となります。
もし個人レベルでは手に負えないほど負債が高額であれば、最悪の場合破産することになってしまいます。

ですが、法人で生じた負債は、株式会社であれば会社の出資金内の有限責任となりますので、個人の資産を守ることができます。
ただし会社としての信用は失墜してしまいますので、法人化前に期待すべきメリットとしては重視しない方が良いでしょう。

法人化する4つのデメリット

法人化する際は、以下のデメリットが経営状態や事業にどのくらい影響するかを考慮しなければなりません。

設立のために費用が発生する

法人化する場合は株式会社や合同会社として会社を立ち上げることになりますが、その際に費用が発生します。

● 定款に貼る印紙代:4万円
● 公証人認証手数料:5万円
● 登録免許税:最低15万円 ※株式会社の場合

登録免許税は、資本金の額に対し0.7%かかります。
ただし株式会社の場合、税額が15万円に満たない時は最低でも15万円納める必要があり、合同会社であれば6万円からとなっている点に注意てが必要です。

社会保険に強制加入することになる

個人事業主の場合、雇用している従業員が5名以上であれば強制的に、
● 健康保険
● 厚生年金
● 労災保険
● 雇用保険
に加入することになります。
会社は従業員の数に応じて、社会保険料の一部を負担しなければなりません。

なお、個人事業主でもサービス業や士業など一部の業種では、雇用している従業員が5人以上になれば社会保険料を支払わなければなりません。
しかし法人の場合は従業員が4人以下でも強制的に加入することになりますので、会社の金銭的負担は自ずと大きくなります。

赤字でも税金の支払いが発生する

法人でも個人でも、自治体に法人住民税・住民税を納める必要があります。
住民税には、所得に対してかかる「所得割り」だけでなく、「均等割り」というものがあります。
もし経営状態が悪くても事業を行っていなくても、会社や個人がその住所に存在する限り、均等割り分は納めなくてはなりません。

この住民税は、個人であれば、一定の条件を満たせば免除されることもあります。
しかし法人の場合、たとえ会社が赤字でも休眠状態でも、均等割り分は納めなくてはなりません。
また、法人住民税の均等割りは前年の売上に関係なく発生します。
資本金が1000万円以下で従業員が50人以下の会社でも、7万円ほど納めなくてはなりません。

会計処理が複雑になる

法人化した後の会計処理は、個人だけで行うには負担が大きすぎます。
会計処理のためにスタッフを雇うことはもちろん、税理士と顧問契約を結ぶ必要も出てくるでしょう。

また、事業が大きくなるにつれ、会計処理のほか法務局への登録や許可証の取得などで専門家を雇う頻度も多くなり、その分のコストが増える恐れもあります。

個人事業主からいつ法人化すべきか

個人事業主の方が法人化すべきかどうかは、事業の安定度で判断すべきと言えるでしょう。
「社会的信用」という法人化最大のメリットも、事業が安定していなければ気休め程度の恩恵しか得られません。

法人成りのタイミングは所得次第

先ほどメリット面で解説したように、一定の所得があれば、所得税より法人税の方が税額は安くなります。
また、法人化すると従業員の社会保険料を強制的に負担しなければならず、設立のためには多額の費用を伴いますが、所得が多いほどこれらのリスクをカバーすることができます。

おわりに

会社を法人にするかどうかは簡単に決断できるものではありません。
一度法人化した後は末永く会社を存続させなければならず、自分自身だけでなく、多くの人の生活を守っていくことになります。
経営が厳しくなったからと言って、個人事業に切り替えるようなことはできないのです。

「早く法人化しないと周りに置いていかれる」などと焦らずに、デメリット面も十分考慮して、タイミングを判断しましょう。

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