オフィスに訪れた人が、まず最初にチェックするのは、オフィスビルのエントランスです。会社の第一印象を作るエントランスは、建物の内装や設備、立地などと並ぶ、物件選びの中でも非常に重要な部分と言えるでしょう。
訪れた人に良いイメージを持ってもらえるように、オフィスビルを選ぶときの、エントランスのチェックポイントを押さえておきましょう。
清掃やメンテナンスがしっかり行われているか
エントランスは、明るく清潔であるほど、訪れた人に好印象を与えます。ホームページや広告でどれだけ良い印象を与えていても、エントランスが暗く不衛生だと、訪れた人にかえって不信感を抱かせてしまう恐れがあります。
常に良い印象を与えるためには、エントランスの清掃やメンテナンスが念入りに行われていなければなりません。
清掃の頻度や範囲
床の簡単な掃き掃除だけでは、日々の汚れがエントランスのあちこちに蓄積され、訪れた人に「不衛生で手入れが行き届いていない」という悪い印象を与えてしまいます。
床だけでなく、壁やガラス、手すりなどの細かい箇所も、吹き掃除や掃き掃除といった日常清掃が行われていることを確認しておきましょう。
また、プロの清掃業者による床のワックスがけやカーペットのクリーニングといった定期清掃が行われていると、エントランスの美観を常に維持することができます。
設備のメンテナンス状況
切れかけで点滅している照明や、割れてガムテープなどで補強されているガラス、錆びだらけで塗装がほとんど剥がれ落ちている手すり、日焼けした古い張り紙などがエントランスに残っていると、それだけで会社のイメージは大きく下がってしまいます。
交換や補修が必要な設備を長期間放置せず、すぐにメンテナンス行われるオフィスビルかどうかもチェックしておきましょう。これらの軽微なメンテナンスがすぐに行われないオフィスビルということは、建物の維持管理がふだんから行き届いていないことを表しており、共用部や外観のリフォームもおろそかになりやすい傾向があります。
セキュリティや防災設備の有無
人や物の出入り口となるエントランスは、見た目の美しさや清潔さだけでなく、セキュリティ面や防災性も備えていなければなりません。
監視システムやセキュリティシステムの有無
オフィスに部外者を侵入させないためには、入口に警備員が常駐していたり、オートロックシステムが搭載されていたりすると良いでしょう。緊急時に24時間いつでも対応してくれる警備システムに加入しているかどうかも重要です。
そのほか、不審者をチェックするための監視カメラや、モニター付きのインターホンなどもあると、万が一のときに映像を証拠資料として提出することができます。
非常時の防災設備
懐中電灯やラジオなどの防災設備が、エントランス付近に設置されているかどうかもチェックしておくと良いでしょう。AED機器や緊急用の公衆電話などもあるとより安心です。
また、ドアがオートロックのオフィスビルは、停電時にドアが停止して従業員がビルに閉じ込められてしまう恐れがあるため、緊急時に手で開閉が可能か、予備電源が搭載されているかなども確認しておくと良いでしょう。
会社のイメージに合っているか
エントランスは、明るく清潔であるほど良い印象を与えますが、不相応に豪華すぎたり、会社のイメージと大きくかけ離れすぎていると、かえって悪い印象を与えてしまう恐れもあります。
万人受けするデザインかどうか
ダウンライトやライン照明、モダンなタイル床、広く開放感のある吹き抜けなど、内装がおしゃれなエントランスは、訪れた人に大きな安心感を与えることでしょう。
しかし、豪華絢爛すぎる装飾や、あまりにも個性的な彫刻や絵画などが飾られたエントランスと、初めて訪れた人を混乱させてしまう恐れがあり、会社のイメージにも悪影響を与えかねません。
豪華さや意匠性にこだわって背伸びし過ぎず、会社のイメージに最も合うデザインを選びましょう。
同じ建物に入っているテナントの評判
入居後に後悔しないように、他テナントの従業員や訪問客の雰囲気も、内覧の際に併せてチェックしておきましょう。同じ建物に、人相の悪い人が頻繁に行き来しているような、評判が良くないテナントがあると、訪問者をエントランスで不安にさせてしまいます。
また、テナントごとの郵便受けがエントランスに設置されている場合は、中に郵便物が大量に放置されていないか、鍵はしっかり付いているかなども確認しておかなければなりません。
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おわりに
オフィスに訪れた人に、より良い印象を与え、安心してサービスを利用してもらえるかどうかは、最初に足を踏み入れるエントランスで決まると言っても過言ではありません。
清潔感や居心地の良さをアピールするだけでなく、セキュリティや非常時の備えなどもしっかりチェックして、より会社の発展に繋がるエントランスを目指しましょう。