お取引先がオフィスを移転されたときは、移転祝いのお花を贈ることで、末永い取引に繋げることができます。
しかし、いざお祝いを送ろうとしても、移転祝いに相応しいお花の種類やお贈りするタイミング、やってはいけない贈り方など、気を遣う箇所がいくつも出てきて困ってしまうものです。
大切なお取引先の移転を心からお祝いし、喜ばれるためにも、移転祝いのマナーやポイントをしっかり身につけておきましょう。
やってはいけない、移転祝いのNGマナー
喜ばれる移転祝いにするためには、NGとなるケースを最初に知っておくことが肝心です。
お祝いを贈ってはいけないケース
事業縮小や経営不振など、喜ぶべきではない移転にお花を贈ってしまうと、失礼になってしまいます。
移転の理由は、移転を知らせるはがきやメールに記載されていることがあるため、喜ばしいことと早合点して見落とさないようにしましょう。
あるいは、移転理由に関わらず、社内のコンプライアンス規定で物の贈答を行わないようにしている会社もあります。こちらも通常は、移転通知にその旨が記載されており、読まずに送ってしまうと、大きなマイナスイメージを与えてしまいます。
移転に「火」と「赤」はNG
移転や引越し、新築のお祝いでは、「火」や「火事」を連想させるライターや灰皿などを贈る行為はタブーと言われています。
そのため、結婚式やお正月など、おめでたいシーンで使われることが多い「赤」ですが、「火」を連想させてしまいますので、移転祝いでは赤いお花や小物は贈らないようにしましょう。
お花が迷惑になる業種もある
飲食店や病院、医療機関など、衛生管理が厳しい業種は、お花の強い香りや花粉が店舗内に飛散する恐れがあるため、飾られないことがあります。
このような業種にお花を贈ったからといって、必ずしも失礼に当たることは限りませんが、心配な場合は、電報や雑貨などで代用しても良いでしょう。
移転祝いを贈るタイミング
移転日前後の慌ただしい時期でも、鮮度の良いお花を確実にお送りできるように、送付のベストなタイミングを知っておきましょう。
移転から10日以内に贈ること
お祝いのお花は、移転から10日以内にはお取引先に届くように手配しましょう。この期間を過ぎると、新店舗のお披露目会やセレモニー等が終了している恐れがあるため、お花を受け取っても持て余してしまいます。
もし10日以上過ぎてしまった場合は、菓子折りやギフト券など、お花以外の方法で気持ちを伝えると良いでしょう。
到着日を確認しておくとベター
移転日の前後は、引越しの荷物や様々な手続きなどで、お取引先は慌ただしい状態であることが予想されます。
また、他のお取引先からも続々とお祝いが贈られ、お礼状リストの作成に追われている状態も考えられるため、送付のタイミングを事前に電話などで確認しておき、確実に受け取ってもらえるようにすると良いでしょう。
移転祝いのお花選び
贈るお花の種類や金額は、その内容次第でお取引先に与える印象が大きく異なるため、最も悩ましいポイントです。贈るお取引先のイメージや、新しいオフィスの大きさなどをお花選びに反映させることも忘れないようにしましょう。
移転祝いのお花の種類
お祝いに使われるお花の代表格といえば、胡蝶蘭です。
胡蝶蘭は日持ちもよく、ビジネスシーンで多用されることから、手入れの方法を知っている従業員がお取引先にいることも期待できます。
そのほか、ガーベラやスイートピーなども、胡蝶蘭に劣らない華やかさがあるため、お祝いで喜ばれるお花です。
さらに、お取引先が「コーポレートカラー」を設定している場合は、同じ色のお花で作られたフラワーアレンジメントをお送りしても良いでしょう。新社屋のお披露目式典や、エントランスの飾りなどに大活躍することは間違いありません。
また、移転直後で家具が少ないオフィスでは、パキラやモンストラなど、葉が大きく背が高い観葉植物を贈ると喜ばれることがあります。
お花の価格とランク
移転祝いのお花は、約10,000~30,000円が価格の相場です。約20,000円程度のランクのお花であれば、他のお取引先から送られたお花と並んでも、見劣りすることはないでしょう。
ただし、移転したお取引先が大企業の場合や、新社屋落成など規模が大きい場合は、贈られるお花の価格相場も約30,000~50,000円以上と高くなるため、それ以下のランクのお花を贈ると、小さくかすんでしまう恐れがあります。
お花の立て札
移転祝いのお花には、立て札を添えます。立て札には、送り先と送り主それぞれの「会社名」と「代表者名」に、朱書きで「祝移転」「祝」「御祝」などの文字が記載されます。
配送業者によっては、立て札のレイアウトが選べないこともあります。大事なお取引先に贈る場合は、レイアウト変更が可能な配送業者に依頼し、念のためレイアウト案をFAXで送ってもらい、送り先の会社名・代表者名が、こちらのものより小さくなっていないかなどを確認しておくと良いでしょう。
おわりに
移転祝いは、これまでの感謝の気持ちを表すと同時に、これからの付き合いを確かなものにするためにも大切なアイテムです。
NGとされるマナーは必ず避け、お花のランクや送付のタイミングをしっかり押さえて、お取引先の門出にふさわしいお祝いを贈りましょう。