普段使っている調理器具や日用雑貨は、つい近所のホームセンターや100円ショップで揃えてしまうものです。しかし、「わざわざ道具屋さんに行くほど家事をしない」という人でも、「道具屋さん」という専門店に足を運んでみると、調理器具や日用品を改めて選びたくなってしまうかもしれません。
この記事では、店内を見て回るだけでも楽しめる、都内にあるおしゃれな内装の道具屋さんを3店ご紹介します。
100年以上続くかっぱ橋の老舗道具屋「釜浅商店」
台東区浅草にある「かっぱ橋道具街」は、長い歴史を持つ国内有数の道具街ですが、かっぱ橋の中でも特に有名な道具屋といえば「釜浅商店」です。国内だけでなく、海外の料理人も調理器具を買いに訪れるほど信頼されており、パリにも新店舗がオープンしました。
明治41年に創業した老舗店は、2011年にリニューアルして明るくおしゃれな内装に一新。お店に掛けられた「のれん」も、レトロでありながらどこか洗練された雰囲気をまとっています。
2店舗に分かれた調理道具の専門店
釜浅商店は、鍋やフライパン、南部鉄器などが置かれたフロアと、包丁が置かれたフロアが別の建物に分かれています。各道具はカテゴリごとに並べられており、すっきりとしたディスプレイとなっているため、豊富な品揃えにも関わらず関連商品をすぐに見つけることができるでしょう。
居心地の良い丁寧な接客も、釜浅商店の人気の理由。包丁を購入すると無料で名入れをしてもらえますので、ご自分用の大切な一本としても、プレゼント用としても購入してみてはいかがでしょうか。
外装からインパクト大な道具屋「ニイミ洋食器店」
かっぱ橋道具街に足を踏み入れて、何よりも目を引くオブジェと言えば、「ニイミ洋食器店」のビル上部に鎮座する“ジャンボコック”でしょう。バルコニーはカラフルなティーカップ型になっており、外観のインパクトは絶大です。
ニイミ洋食器店の強みは外観だけではありません。「世界の食器・調理器具」と書かれたレトロなオレンジの看板をくぐると、1階から3階まで店内に所狭しと並んだ、バラエティ豊かな調理器具を目にすることができます。
かっぱ橋が誕生する前から続いてきた老舗
ニイミ食器店は、かっぱ橋に道具店が誕生し始める大正時代より前から営業し続けており、「釜浅商店」と並ぶ非常に歴史のある道具屋さんです。
取り扱われている調理器具はプロ向けのものが多く、厨房用の寸胴鍋や蒸し器、洋食屋や喫茶店で使われているような銀色のカレー皿、電車や動物がモチーフになったお子様ランチトレーなどが販売されています。希望する商品がない場合はリクエストも可能。「こんな○○が欲しい」と注文すれば、お店のコンセプトにぴったりの調理器具が手に入るかもしれません。
棚やテーブル、階段の踊り場から手すりまで、店舗のスペースを余すことなくずらりと並んだ調理器具は、もはやニイミ洋食器店の内装の一部。カラフルな小皿やお箸が並んだ店内は、和洋折衷の彩りが広がります。
お買い得商品や現品限りの掘り出し物も購入できることから、ご家庭用の調理器具を買い求める人も、メイド・イン・ジャパンのお土産を求める訪日観光客も詰めかけています。
女性の心をくすぐる高円寺の道具屋さん「cotogoto」
「cotogoto(コトゴト)」は杉並区高円寺にある、シンプルで上質なアイテムを販売する道具屋さんです。店内にはティーカップや片手鍋、ランチョンマット、グラス、プレート、お弁当箱など、日々の暮らしを彩る上質なキッチン雑貨が丁寧に陳列されています。
商品はcotogotoのオンラインショップでも購入できますが、こぢんまりとしたシンプルな店内に、かわいい道具がぎゅっと詰まった内装は一見の価値あり。コンクリートの床に躯体現しの天井、控えめなフォルムのランプで作られた穏やかな内装は、つい時間を忘れて、ひとつひとつの商品をゆっくり眺めてしまいたくなるでしょう。
日本の暮らしに合わせて厳選された道具たち
cotogotoで販売されている道具は、スタッフが実際に使ってみて手や暮らしに馴染むかどうか検証して厳選されたアイテムばかり。「日本の手仕事・暮らしの道具店」というキャッチフレーズの通り、おしゃれだけどインテリアに浮くことのない、日常の中に溶け込む商品がチョイスされています。
店内では、定期的にハーブティーやおせちのワークショップも開催。店内で見つけたお気に入りの商品とワークショップ体験によって、日々何気なく行っている家事や調理がますます楽しくなるかもしれません。
おわりに
プロ向けの調理器具を販売しているお店は、日曜が定休日となっていることもあるため、訪れる際はお店の営業時間をよく確認することがポイントです。
昔から続く老舗の道具屋で、お気に入りの一品を見つけて、日々の暮らしに新しいルーティンを取り入れてみてはいかがでしょうか?