スターバックス・コーヒーといえば、言わずと知れた大手コーヒーショップチェーンです。日本にも沢山の店舗を展開しているスターバックスですが、その中でも「コンセプトショップ」と呼ばれる店舗は、各エリアの伝統や文化を反映させた独自の内装デザインとなっています。
今回は、内装がおしゃれなスターバックスのコンセプトショップの中から、厳選して6店舗をご紹介します。
観光名所にも馴染むスターバックスのコンセプトショップ
コンセプトショップとは、会社が伝えたいメッセージや思いを、商品や内装デザインに強く打ち出した店舗のことです。日本にあるスターバックスのコンセプトショップでは、各地域の文化や良さを発信したいという思いのもと、おしゃれでありながらローカルな雰囲気を反映させた、趣のある店舗デザインが行われています。
そんなスターバックスのコンセプトショップは、有名な観光名所にもオープンしています。
縁結び×コーヒーの魅力!「出雲大社店」(島根)
縁結びのパワースポットとしても知られる、島根県の出雲大社には、表参道入り口のすぐ近くに、スターバックス出雲大社店があります。瓦屋根に格子窓の和風な外観を見れば、通常のスターバックスと一線を画していることは一目瞭然です。
内装は落ち着いた和の雰囲気に洋風素材がミックスされた、和洋折衷のデザイン。2階にある大きな勾玉型のテーブルには、中央に水晶が埋め込まれています。島根の特産品「めのう」をモチーフにした出雲大社店オリジナルのマグカップも、出雲大社参りのお土産に大人気です。
城下町に溶け込んだスタバ「川越鐘つき通り店」(埼玉県)
小江戸にタイムスリップしたかのような、レトロでおしゃれな景観が人気の川越市「鐘つき通り」にあるのが、伝統的な蔵造り様式のスターバックスです。
平屋をアレンジした和風の外観は、鐘つき通りの景観と調和しています。店舗の表には、スターバックスのロゴがプリントされた粋な垂れ幕も。店内には、黒しっくいで塗装されたカウンターや、川越唐浅が掛けられたベンチシートが置かれ、奥の席では日本庭園を眺めながらコーヒーを楽しむこともできます。
地域の自然素材を活かすスターバックスの取り組みにも注目
海外にも知られる「太宰府天満宮店」(福岡)
太宰府天満宮近くにあるスターバックスは、木組みのデザインを外観にも内装にも取り入れた、インパクト大のコンセプトショップです。「和の大家」とも呼ばれる建築家・隈研吾氏が手がけたデザインは、日本国内に留まらず海外からも高い評価を受けています。
トンネルのような長細い店内の奥には、太宰府のシンボルでもある梅の木が植えられています。夜になると木組みがライトアップされ、美しくも趣のあるおしゃれなムードに変身。「自然素材による伝統と現代の融合」という店舗のコンセプト通り、太宰府の景観と調和しつつも、現代的なおしゃれさを取り入れたデザインは必見です。
地元の木材を散りばめた「シャミネ鳥取店」(鳥取)
JR鳥取駅の横、「シャミネ鳥取」内にあるスターバックスは、外壁にも内装にも、テーブルの天板にも鳥取の木材がふんだんに使われたコンセプトショップです。
天井が高く広々とした造りの内装には、鳥取の名産品である「らっきょう」をモチーフにしたソファが。店内の随所には、古事記の因幡の白兎にちなんでウサギの「耳」が見え隠れており、地元の文化と遊び心を取り入れた、心温まるコンセプトショップとなっています。
登録文化財と融合したスターバックス
スターバックスのコンセプトショップの中には、有形登録文化財を再利用して、現代的なアレンジが加えられた店舗もあります。
震災を経て蘇った「神戸北野異人館店」(兵庫)
洋風のレトロ建築が立ち並ぶ、神戸市の観光名所・北野異人館街には、登録有形文化財の住宅をリニューアルして作られた、スターバックス神戸北野異人館店があります。
元々は阪神・淡路大震災で被害を受けたため神戸市によって保管されていましたが、2001年に現在地に移築された後、2009年に、国内発の登録有形文化財を再利用したスターバックスとしてオープンしました。
調度品が置かれた異国情緒溢れる内装は、1907年の建築当時の雰囲気をそのまま残しています。
島津家の歴史を感じる「鹿児島仙厳園店」(鹿児島)
スターバックスのコンセプトショップは、ただ単におしゃれなデザインで注目されているだけではありません。地域の自然素材を店舗の外観や内装に巧みに取り入れることで、地域の魅力を、地元の人にも観光客にも発信しています。
スターバックス鹿児島仙厳園店は、桜島が一望できる絶景スポットにあるコンセプトショップです。旧薩摩藩島津家の金山鉱業事業所をリニューアルした建物には、店舗外観の家紋や店内に飾られた写真などに、島津家の歴史が息づいています。
内装の各所には、真鍮風の穏やかなゴールドの照明、薩摩切子モチーフのカウンターなど、地元・鹿児島の特色が反映されており、コーヒーの香りと共に歴史のロマンを体験することができるでしょう。
おわりに
スターバックスのコンセプトショップはどれも、斬新なデザインでありながら出店する土地の文化を重んじたデザインとなっており、観光客だけでなく地元の人からも愛されています。
コンセプトショップ限定のタンブラーなども販売されていますので、旅先でおしゃれなスターバックスを見つけたら、ぜひ立ち寄ってみましょう。