保育園や幼稚園にとって、そこで育つ子どもの成長に大きく影響する要素といえば、「園舎」のデザインです。この記事では、子どもたちの好奇心や想像力を育むだけでなく、子どもを預けた保護者も喜ぶ、数々のおしゃれな園舎をご紹介します。
自然と一体化したオープンな保育園
「自然豊かな環境でスクスク育ってほしい」という保護者の願いを叶える、開放的なこども園を2箇所ご紹介します。
「小浜こども園」(長崎県)
長崎県雲仙市にある「小浜こども園」は、幼保連携型の認定こども園です。海が一望できるロケーションを生かした開放的な構造は、数々の幼児施設設計を手がけている「日比野設計 幼児の城」によるもの。
自然と一体化した明るい園舎では、子どもたちが毎日、体を目一杯使って活動しています。ピクニック気分で給食を食べられる海が見えるオープンテラスや、転んでも安心な人工芝の運動場、屋上に通じるアスレチックや、水槽や展示コーナーが設けられた廊下など、園舎には大人も子どもに戻って遊びたくなる仕掛けが満載です。
ただおしゃれで楽しいだけではなく、自由にお絵描きできる黒板の壁や、誰もが画伯になれる絵画専用の「コドモアトリエ」、調理のようすが学べるガラス張りの調理室など、情操教育にもしっかりこだわられています。
「国東こども園」(大分県)
「国東こども園」は、大分県国東市にある認定こども園です、園舎の設計は小浜こども園と同じ「幼児の城」が担当し、園庭の設計や大型遊具の設置にはあそび環境のプロ「ポーネルンド」が参加しています。
国東こども園で何と言っても目を引くのは、ひろびろとした敷地です。海が見える1ヘクタールの敷地内には芝生の園庭とグラウンドが広がり、子どもたちの好奇心を搔き立てる大型遊具はコンパンプレイスケープ社のもの。のびのびと体を動かせる広い教室や多目的ルーム、子どもの数だけ遊び方が生まれる隠れ家風の「あなぐら」など、子どもたちが頭と体を使って成長できる試みがいっぱいのこども園です。
お迎え前のリラックスタイム!カフェ併設の保育園に夢中
今、カフェが併設された保育園が注目されていることをご存知でしょうか。園内にカフェを併設することによって、仕事、育児、家事に追われるお母さんやお父さんたちが休憩所として使えるだけでなく、カフェ運営を通じて子どもたちに「食」の大切さを教えることができるのです。
「茶々保育園グループ」
埼玉県や東京都などに複数の保育園を展開する「茶々保育園グループ」には、「ちゃちゃカフェ」というカフェが併設された園があります。カフェにはコーヒーやお茶が用意されており、地域の人との交流の場として、子どもを入園させていない方でも利用が可能です。さらに、こどもたちが育てて収穫した野菜を売る「マルシェ」が開かれることもあり、販売もこどもたちが行うことによって、「衣・食・住」の大切さが養われています。
「まちの保育園 小竹向原」(東京都)
「まちの保育園 小竹向原」の入り口には、広々としたおしゃれなカフェ「レストラン&ベーカリー まちのパーラー」があります。園の前に設けられたカフェかには焼き立てのパンの香りが広がり、パンはテイクアウトもできるため、朝の忙しい送り迎えの合間でも手軽に立ち寄れる点が嬉しいポイント。昼にはランチ、夜はアルコールも提供されている本格派パーラーは、園児や保護者だけでなく、地域の人にも愛されています。
子どもが大喜び!海外のユニークなおしゃれな園舎
海外にも、子どもたちが大喜びすること間違いなしの大胆でユニークなデザインの園舎がたくさんあります。
「ケケック幼稚園」(スロベニア)
日常の景色に溢れるたくさんの「色」は、何よりも子どもたちの想像力と好奇心をかき立ててくれる存在です。スロベニアの「ケケック幼稚園」の外壁は、くるくる回る木製パネル。パネルを回すと色が変わる外壁に触れて、子どもたちは色の変化や相性をその目で学べます。
「エル・チャパラル保育園」(スペイン)
ピカソやダリ、ガウディなど著名な芸術家を数多く輩出したスペインには、色彩を巧みに使って演出されたスタイリッシュな保育園があります。グラナダにある「エル・チャパラル保育園」は、カラフルな窓から差し込む光が日のあたり具合で変化する摩訶不思議な園舎が特徴的。時間や季節によって移り変わる色彩は、子どもたちの知的探究心を大いに刺激するでしょう。
おわりに
園舎をおしゃれにデザインする目的は、見た目をただおしゃれにすることではなく、子どもたちが五感を使って想像力を働かせることにあります。おしゃれで機能的な園舎で過ごした子どもたちは、成長しても子どもだった頃の豊かな思い出に支えられ、のびのびと成長することでしょう。