良い立地に位置し、上等な家具を揃えても、必ずしも快適なオフィスが手に入るとは限りません。
動線や内装といったオフィスデザインを失敗してしまうと、業務効率や従業員のモチベーション低下に繋がる恐れがあります。
そこで今回は、オフィスデザインの失敗例3つと、失敗しないための改善方法についてご紹介します。
動きづらく無駄の多い動線
動線とは、建物内での人の動きを線で表したものです。動線が整備されていないオフィスでは、作業に多くの無駄が生じてしまいます。
業務に必要な設備までの距離が遠い
どのような部署でも1日に1度は使用するオフィスの必需品といえば、コピー機です。
そんなコピー機がオフィスの端に配置されていると、多くの従業員は、書類を取るために何度も大移動しなければならなりません。
コピー機や備品棚など、従業員全員が使う設備は、できるだけオフィスの中央、またはすべての部署が最短距離で行き来できる位置に配置する必要があります。
そのためには、コピー機を使うために必要な、電源コードやネットのケーブル、重たい棚なども、最初のレイアウトの時点でオフィスの中央に配置しておくようにしましょう。
また、業務拡大に伴い、新しい部署のフロアを設けるときも注意が必要です。もし、新しい部署をメインフロアから離れた位置に設けたとき、その部署だけコピー機や備品の棚に寄るために、長い距離を何度も往復しなければなりません。
オフィスをデザインするときは、フロアを追加するケースがあるかどうかも予想しておくと良いでしょう。
想定していた動線と大きく異なっている
従業員がどのように動くかは、オフィスを実際に使ってみるまではわかりません。そのため、設計図の段階から動線を決めつけ過ぎると、動きづらく不便なオフィスになってしまう恐れがあります。
例えば、動線を作るためにパーテーションで通路を作ったところ、実際にはパーテーションを交わして近道をする従業員がいたり、業務のたびにパーテーションを移動させたりといった想定外の動きが出てくることがあります。
あまり動線を決めつけ過ぎず、実際の従業員の動きに合わせて変更できるよう、フロア間を仕切る間仕切りは、可動式のものや移動できる家具などを使うと良いでしょう。
コミュニケーションが取りづらい
オフィスでは、何気ない雑談の中から、斬しいひらめきが生まれることも少なくはありません。
そんな雑談が行えないばかりか、連絡を取り合うべき部署同士が離れているようなオフィスでは、生産性も大きく落ちてしまうでしょう。
各部署が分離されている
オフィスのフロアを仕切るパーテーションは、簡易な壁としても、掲示物を貼るボードとしても活躍します。
しかし、パーテーションで作られた壁は、心理的な近寄りにくさも生み出してしまいます。そのため、パーテーションで遮られた部署は連携が減ってしまい、最悪の場合、緊急の報告も届かなくなる恐れがあります。
連携すべき部署が離れている
営業と営業事務、秘書室と役員室など、必ず報告が発生する部署同士が離れていると、打ち合わせのたびに、資料を抱えて長時間離席しなければなりません。
打ち合わせは、パソコンの側で、いつでも資料が手元にある状態で行いたいものです。そのためには、常に報告や打ち合わせが発生する部署同士は、移動せずに打ち合わせが行えるよう配置しておきましょう。
狭い・暗い・イメージと違う
狭くて暗いオフィスは、その中で過ごす従業員の気持ちまで暗くしてしまいます。
家具で埋まっている
背の高い家具は、フロアを狭く見せる効果があります。そのため、あまり高い家具を沢山敷き詰めすぎると、窮屈で狭いオフィスになってしまいます。
また、収納棚を何段も重ねたり、床が見えなくなるほど家具を配置したりすると、地震や火災のときに家具が散乱して、避難通路を遮る恐れもあります。
会社のイメージとマッチしていない
イメージカラーに統一性がないオフィスにも注意が必要です。
色は、見た人に最も強い印象を与えます。そのため、「コーポレートカラー」という、会社を象徴する色を決めている企業もあります。
コーポレートカラーは、広告や看板、ウェブサイトなど様々なものに使われ、ライバル企業との差別化にも使用されます。
名刺や社員証、パンフレットなど、オフィス内で使われるアイテムにもコーポレートカラーは使用されますので、オフィスデザインに、コーポレートカラー以外の色や、ライバル企業を象徴する色が使われていると、違和感の強い内装になってしまいます。
また、お客様が会社に持つイメージは、業種によって異なります。そのイメージとかけ離れているほど、不信感を抱かせてしまいますので、企業のイメージを損ねないオフィスデザインも重要です。
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おわりに
家具の配置やフロアの位置、それによって生じる動線など、考えることが多いオフィスデザインは、実際に使用するまで良いデザインかどうかわからないという側面があります。部署の新設や人員増加といった業務拡大や、従業員の予想外の動きに合わせて、臨機応変に変更できる、柔軟さを備えたオフィスデザインを作りましょう。
オフィス舗施工事例
施工概要
広さは140坪となります。施工期間は約3週間です。施工料金は15万/坪となっております。
デザインの特徴
1階にショールームを備えた3階の本社機能。エントランスは本社の顔であり、サーバー会社のイメージを表し近未来的なデザインに。アプローチに沿ってセキュ リティー前に2室のシースルーなミーティングスペースと受付カウンターを配置。セキュリティーを越えると発想を促す色調の戦略会議室と役員室が並んでいます。オフィス奥には、心休まる柔らかなコミュニティーラウンジを設計致しました。