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「起業をしたい!」という気持ちはあるものの
「どんなジャンルで起業すべきかわからない」
「失敗しない起業アイデアを選びたいけどわからない」
のように、起業アイデアが思い浮かばず行動に移せない方は少なくありません。起業アイデアが思い付かないときは、「ご自身の中」からヒントを見つけてみましょう。
この記事では、起業アイデアが思い浮かばない方に向けて、ご自身に最も適した起業アイデアを見つけるためのヒントをご紹介します。どうしてもアイデアが思い浮かばないときに試したい「隙間産業」の見つけ方も解説します。
起業アイデアが固まれば準備に進める
起業の意欲はあってもなかなか踏み切れず、既に起業した同年代や年下の活躍を見て歯がゆい思いをしている方も多いのではないでしょうか。どんなに起業をしたくても、起業アイデアが固まっていないうちは、起業はできません。
まずは焦りや苛立ちをいったん捨て、起業のアイデアを決めることに集中しましょう。
アイデアは自分の中から見つけ出す
仮に人から与えられたアイデアで起業をしても、自分のスキルや職歴と程遠かったり、その業種に自分自身が興味を持てなかったりすれば、事業を続けることは難しいでしょう。
つまり、長く事業を続けていけるかどうかは、起業のためのアイデアを自分自身の中から見つけ出すことにかかっています。
以下からは、自分の中から起業のアイデアを見つける方法を、具体的にご紹介します。
起業のアイデアを自分の中から見つける方法5つ
起業のアイデアを考えるときは、自分を内側・外側、360見渡すような気持ちで分析してみましょう。
自分の経験やスキルを棚卸しする
棚卸しとは、手元にある在庫の量と内容を洗い出す作業のことです。自分の経験やスキルを棚卸ししてみると、自分でも驚くような意外な趣味をビジネスに繋げられるかもしれません。
自分を棚卸しするときの質問例
「自分にはどんな経験やスキルがあるのか?」
「ビジネスにできそうな得意分野はないか?」
「時間を忘れて一番没頭しているのはどんなときか」
「たとえお金がもらえなくても一生続けていられる趣味はないか」
自分に質問をするときは、自分を否定しないこともポイントです。
「自分は走ることが好きだけど、あの人には劣るから…」
「ファッションが好きだけど、デザインの学校を出ていないから…」
などのように、せっかく良いアイデアを思い付いても、自分で否定してしまうとビジネスへ結びつけることができません。
自分の経験やスキルを棚卸しするときは、余計な否定や他人からの評価はいったん忘れ、「走ることが好き」「ファッションが好き」などのように、感情抜きの事実だけをメモして行きましょう。
既存のサービスを組み合わせる
既存のサービス同士を組み合わせることで、思わぬアイデアをひらめくことがあります。
そもそも、何もない「無」の状態から新しいものを生み出すことは簡単ではありません。
現在この世にあるサービスは、既存のサービスを組み合わせたり改良したりして生み出されたものがほとんどです。
「まだこの世にない、新しくて価値のあるもの」を閃こうとは考えず、まずは肩の力を抜いて日常的に使っている道具やお店などを見渡し、様々な組み合わせを考えてみましょう。
組み合わせる作業が習慣になれば、「これは」というアイデアに巡り合えるはずです。
自分の生活に役立つサービスを考えてみる
ご自身が今生活で困っていることを思い浮かべ、「こんなサービスがあったら便利だな」と考えてみる方法も効果的です。
実際に、この方法で生み出されたサービスも少なくはありません。毎日のルーティンを振り返ったり、生活の何気ない行動に注意したりして、こんなサービスがあれば生活が楽になるかもしれない、と頭の中で変換してみましょう。
人に喜んでもらえるサービスを考えてみる
アイデアを考えるときは、「自分がこうなりたい」ではなく、「自分のビジネスで、誰かにこうなってほしい」という風に、人に喜んでもらう方法を考えてみると、良いアイデアがひらめきやすくなります。
「誰かのためになるサービス」を考えことは、ビジネスにおいて最も重要な視点です。もし、自分がどんなに便利で画期的だと感じても、喜んで使ってくれる誰かがいなければ、サービスとしては成立せず、売上も発生しません。
また、「誰に何を提供できるビジネスなのか」という点は、事業計画書の作成や、金融機関への融資申し込みでも必ず聞かれる質問です。
視野を広げてビジネスのアイデアを探してみよう
アイデアは自分の中からアウトプットされるものです。しかし、アウトプットはインプットがなければ生まれません。
・本や新聞、ニュースなどから多様な情報を集める
・好奇心を持って周りと接する
・新しいことにチャレンジする
・人に興味を持つ
など、常に新しいことに目を向ける好奇心やチャレンジ精神こそ、起業家に求められる素質と言えるでしょう。
時にはアイデア探しから離れてみる
無理にアイデアを出そうと頭を抱えていると、いつまで経ってもアイデアが閃かず、余計に不安が募ってしまいます。
不安が大きくなりすぎると、「起業のアイデアも満足に思い浮かばないのに、成功なんてするはずがない」などのように、認知が歪んで起業への意欲さえも削がれてしまうかもしれません。
起業のためのアイデアは、ほんの数分や数日間で突然ひらめくようなものではありません。
起業のアイデアを突然訪ねられて、その場で革新的なアイデアをすぐに思いつける人はごく少数です。
どうしても何も浮かばないときは、アイデアを考えようとする思考をいったん止め、無心でできる趣味や運動など、別のことに没頭してみましょう。アイデアに煮詰まった作家が、お風呂に入ってリラックスしたとたんアイデアが思い浮かんだ、というのはよくあるケースです。がんじがらめになっていた頭がほぐれれば、意外なタイミングでアイデアをひらめくでしょう。
浮かんだアイデアを忘れないように、できるだけメモ用具を常に携帯し、メモする癖を付けておくこともポイントです。
「ニッチ」な「隙間」産業が成功の鍵?
隙間産業とは、規模が小さく、まだ大企業が進出していない領域のことで、ニッチ市場とも呼ばれます。
使う人が誰もいないように思えるサービスでも、待ち望んでいる人は多いかもしれません。
また、大企業がわざわざ進出しないような隙間産業こそ、中小企業があえて積極的に狙うべき領域と言えるでしょう。
サービスに自信と誇りを
まだ多くの人が注目していない隙間産業で起業し、ピンポイントで需要にマッチできれば、そのサービスを待ち望んでいた人たちに喜ばれ、大きな売上に繋がる可能性もあります。
ただし、ニッチな需要を狙うときは、あくまでも「そのサービスを喜んでくれる人が確実にいる」という視点を忘れないようにしましょう。
「自分はこういうサービスがなくて困っている」という、自分の主観だけで起業をしても、利用してくれる人が現れるとは限りません。
「こんなサービスがなくて困っている」という人の存在が明らかで、似た意見が多く挙がっているのであれば、隙間産業として成り立つ可能性は高いと言えるでしょう。
隙間産業を成功させるためには「ニーズの種類」を見極めること
成功している隙間産業は、客が渇望していた「ニーズ」を満たしてます。以下のような、多くの人が不満を抱えているニーズを満たすことができれば、隙間産業でも大きなビジネスチャンスを掴めるかもしれません。
ニーズの種類 | 不満の例 |
時間的なニーズ | ・平日の昼間は仕事で休めない ・子育てや介護で外出の時間が取れない ・遠方に住んでいて買いに行くために時間がかかり過ぎる など |
選択肢に対するニーズ | ・自分に合うサイズがない ・年齢や年収などの条件に引っかかって選べない ・利用したいプランがない など |
専門店がないことへのニーズ | ・専門ショップがなく探す時間がかかりすぎる ・専門家がいなくて相談できない など |
隙間産業の成功例
先ほどのニーズを解消し、成功した隙間産業の例を見てみましょう。
ニーズの種類 | 成功例 |
時間的なニーズ | ・24時間営業のコンビニエンスストアやスーパー ・空いた時間だけ働けるアルバイト ・外出しなくてもオンラインで完結するサービス ・お店に持っていかなくても家まで集荷してくれるサービス ・移動販売のお弁当屋さん など |
選択肢に対するニーズ | ・ビッグサイズや小さいサイズの専門店 ・ワイヤレスで使える小物 ・水の中でも撮影できるカメラ ・財布に収納できるカード型の印鑑 ・手持ちの現金やクレジットを使わずに口座からお金が引き落とされる電子マネー ・猫を飼えない人でも猫と触れ合える「猫カフェ」 など |
専門店がないことへのニーズ | ・ビッグサイズや小さいサイズの専門店 ・左利きアイテム専用のお店 ・コスメのレビューだけを投稿できるサイト ・専門家による講座を無料で視聴できる動画 など |
失敗する隙間産業の特徴は?
手を出すリスクが高い隙間産業は、なんといっても「流行りもの」です。それまで誰も注目しなかったものが、突然注目されはじめてブームになるという現象は、傍から見れば隙間産業のように見えます。しかし、流行りものはブームが過ぎ去ればあっという間に忘れられてしまいます。ブームに便乗してあとから起業するのは、非常に危険です。
隙間産業で成功するためには、
・時代が変わってもニーズがあること
・時代の変化とともにニーズが増え、かつ、ニーズがなくならないこと
かどうかをよく判断する必要があります。
時代の変化を読むことも、起業の重要なポイントと言えるでしょう。
おわりに
起業のアイデアが思いつかなくても不安にならず、まずは自分自身の中にある要素をじっくり分析し、内側から出てくる答えに身をゆだねてみましょう。
「これは使えるかもしれない」というアイデアを閃くことができれば、自分のスキルに合っているか、実行に移せるかなどを、具体的に考えるステップに移ることができます。大企業が参入していない隙間産業などにも注目して、多くの人に長く喜ばれるサービスを考えてみましょう。