店舗のイメージを左右する要素は、商品の品質や接客態度、内装デザインや看板など様々ですが、忘れてはならないものが、「空調効率」です。
お客様に、店舗で快適に過ごしてもらい、サービスや接客を心から味わってもらうためにも、店舗の種類や構造に合わせた、ベストな業務用エアコンを選びましょう。
店舗の空調は集客に影響する
お店で利益を出し続けるためにも、リピーターの獲得は必須条件です。
しかし、空調選びを誤ると、リピーターの獲得が難しくなるだけでなく、従業員の作業効率も落ちてしまいます。
空調が店舗の印象を左右する
飲食店や美容院など、平均滞在時間が長い店舗の場合、空調の効きが悪いと、お客様に強いストレスを与えてしまいます。
そのため、どれだけ良いサービスを提供できても、
「あのお店は、腕はいいけど暑くて過ごしにくい」
「料理は美味しかったけど、空調が寒すぎて長時間いられなかった」
という悪いイメージだけが残ってしまい、「もう一度利用しよう」という気持ちが起こりにくくなります。
従業員の作業効率にも影響
お店の中で最も長く過ごすのは、お客様よりも従業員です。
空調効率が悪いお店で長時間過ごしていると、業務に集中できずミスが起きたり、勤務態度も怠慢になってしまいます。
その結果、従業員の離職率が増え、新規雇用も難しくなり、お店の利益もどんどん縮小するという、悪循環を生み出しかねません。
業務用エアコンのタイプ
業務用エアコンには、天井埋め込みタイプのほか、取り付けが比較的容易なタイプもあります。
店舗の雰囲気や、部屋の面積、設置箇所、予算に合わせて、最も適したタイプを選びましょう。
天井埋め込みタイプ
業務用エアコンの中では、天井埋め込みタイプが最も多く使われています。
室内機が天井に埋め込まれて天井と一体化しているため、内装に干渉せず、部屋全体に風が広がりやすいという特徴があります。
4方向タイプ
正方形、または長方形の4辺それぞれに吹き出し口が付いており、部屋の全方向に風が広がるようになっています。
天井埋め込みタイプの中では、最も効率的な空調効果が期待できます。
2方向タイプ
吹き出し口が左右・または上下の2方向に付いているタイプです。
形が細長いものが多いため、照明が多い天井でもすっきり収めて設置することができます。
1方向タイプ
吹き出し口は1方向のみのエアコンです。
構造上、部屋の奥にしかエアコンが設置できない時におすすめのタイプです。
ビルトインタイプ
エアコン本体は天井に埋め込み、吹き出し口を自由な場所に設置できるエアコンです。
簡易取り付けタイプ
壁掛けや天井吊りなど、取り外しがしやすいタイプの業務用エアコンです。
威力は天井埋め込みタイプに比べると劣ることがありますが、設置費用・本体価格ともに安く、施工しやすいため、小さな店舗や賃貸事務所であれば、相応の威力を発揮します。
壁掛けタイプ
見た目は家庭用の壁掛けタイプに似ていますが、業務用としての威力は備わっており、天井埋め込みタイプよりも、設置費用を抑えることができます。
アットホームな雰囲気を出したい事務所やロビーなどにおすすめのタイプです。
天井吊りタイプ
天井吊りのため、埋め込み工事が不要ですので、施工費用を抑えることができます。
壁掛けに比べると、天井に設置されているぶん目立ちにくく、壁に商品をディスプレイすることが多い雑貨店やアパレル店などにおすすめです。
業務用エアコンを選ぶ時のポイント3つ
年間の稼働時間が長い業務用エアコンは、本体価格や工賃など、取り付けにかかる費用だけでなく、年間のランニングコストも意識して選ぶ必要があります。
また、店舗の広さや構造に合うエアコンを選ばなければ、どんなに最新の省エネ機能が搭載された機器でも、その威力を発揮することができません。
できるだけ、専門家による現地調査を行うなどして、慎重に機器を選びましょう。
エアコンの馬力
業務用・家庭用に関わらず、エアコンには、部屋の広さをカバーできる威力が求められます。
部屋の広さをカバーできるほどの馬力がなければ、最大出力状態で何時間も稼働し続けることになってしまい、電気代はどんどん増えてしまいます。
通常、エアコンには、設置に適した部屋の広さが記載されていますが、面積だけでなく、部屋の構造や使い方次第で、推奨馬力は異なります。
例えば、ラーメン店や鉄板料理店など、厨房の熱が客室全体に広がるタイプのお店は、自ずと室内全体の熱量も多くなります。
あるいは、大きな窓が多いお店や、吹き抜け構造のお店、ドアが常時開放されているお店など、お店の構造や使い方でも、空気の移動量や室温の上昇率は異なります。
そのため、単純に部屋の面積で選ぶと、期待通りの威力が発揮できない恐れがありますので、必ず現地調査を行ったうえで、適切なエアコンを選ぶことをおすすめします。
エアコンの省エネ効率
店舗は、ほぼ一日中エアコンを稼働し続けなければなりません。
つまり、エアコンの省エネ効率を高めることは、年間の電気代の節約にも大きく影響します。
最新のエアコンには、人や室内の温度ムラを感知して風量を調節する機能や、室内が適温になると電力消費量を切り替える機能など、多くの省エネ機能が搭載されています。
設置から10年以上経っている古いエアコンは、機器そのものの劣化で威力が低下することがありますが、これらの最新の省エネ機能が搭載されていないことも、省エネ効率を下げる原因となります。
店舗のエアコンが、設置されて10年以上経過している場合は、エアコンの交換も検討すると良いでしょう。
エアコンの設置場所
エアコンの設置箇所は、内装デザインにも、エアコンの効果にも非常に影響するポイントです。
エアコンのサイズが、照明の位置や、建物の柱や梁に干渉すると、思った場所に取り付けられず、効きの悪い位置に追いやられ、内装の見た目を大きく落とすことになってしまいます。
おわりに
空調効率の良し悪しは、内装デザインやサービスの質と同じくらい、お客様の店舗に対するイメージを大きく左右する要素です。
そのため、お客様・従業員の両方が、長時間滞在しても快適に過ごせるエアコンを選ぶ作業は、お店を長く運営するための、最重要ポイントと言っても過言ではありません。
しかし、業務用エアコンは、一度設置すると簡単には移動・変更ができないため、特に、天井埋め込みタイプなど施工が難しいエアコンを設置する場合は、威力や見た目、省エネ機能などを慎重に比較して選ぶ必要があります。
店舗の間取り図や設計図を提示しながら、必要であれば現地調査も依頼して、最適なエアコンを専門家にしっかり選んでもらいましょう。