フランチャイズのお店といえば、全国どこの店舗も内装や外観が統一されていますが、近年では、従来のイメージと大きくかけ離れたデザインのフランチャイズ店舗も登場し始めています。
この記事では、国内と海外で注目されている、おしゃれなフランチャイズ店舗をご紹介します。
飲食店は内装で売上が決まる
目を引くおしゃれなデザインの飲食店は続々と登場し続けており、もはや、ただ単にお店がおしゃれというだけでは集客アップは難しいもの。そんな飲食店の店舗デザインテクニックに一石を投じているのが、フランチャイズ企業の、゛敢えて企業カラーと全く違うイメージで作られたおしゃれな店舗”です。
あえて従来のイメージを崩すフランチャイズの戦略
コンビニやファーストフードなど、大半のフランチャイズ店舗は、内装や外観を全国どの店舗でも統一していますので、全国どこにあっても「あのお店だ」と客にすぐ気づくことができます。
その一方で、若者向け、男性サラリーマン向け、ファミリー向け、女性向けといった具合に、イメージを統一すると客層が偏りやすいという弱点もあり、一度固まってしまったブランドイメージの軌道修正は容易ではありません。
この「統一されたデザイン」の弱点を逆手に取り、あえて従来のイメージと大きくかけ離れたデザインの店舗を作ると、特別感が生まれ、普段利用しない客層の人も足を運んでみたくなります。
一度料理の味やシステムを体験した客なら、別の店舗への入店もためらわなくなり、ブランドの新しい客層獲得も難しくはないでしょう。
国内のおしゃれなフランチャイズ店舗3選
以下からは、国内の有名なフランチャイズショップの中から、内装のおしゃれさで話題を集めている企業を2つご紹介します。
カフェ顔負けのスタイリッシュ吉野家
渋谷区恵比寿にある「吉野家 恵比寿駅前店」は、「牛丼屋」というより「カフェ」の見た目に近く、吉野家お馴染みのオレンジの看板ではなく、黒字に白のスタイリッシュな看板が目印です。
シックなブラックのテーブルやグリーンのソファ、ムーディーなスポットライト照明や観葉植物が置かれた店内には、ダイニングレストランさながらのオープンキッチンも設置されています。
コンセント付きの座席では、男性客だけでなく女性客もノートパソコンを広げてくつろぐ姿が見られます。
王将のコンセプト店舗「GYOZA OHSHO」
コンセプトショップとは、特定の方向性にもとづいて、メニューや内装デザインを取り入れた店舗のことです。
中華料理が手軽に味わえることで人気の「餃子の王将」にも、モダンな店舗デザインと一風変わったメニューを取り入れたコンセプトショップが登場しており、既に、埼玉、京都、兵庫、愛知に合計5店舗がオープンしています。
埼玉県にある「GYOZA OHSHO 大宮駅西口店」は、ヴィンテージ風の内装に、カウンターにずらりと並ぶワインがまるでバーのような雰囲気を醸し出しています。京都府の京都高島屋店はテイクアウト専門店ですが、穏やかな色味の木材に矢絣(やがすり)文様があしらわれた外観は、伝統が息づく京都ならでは。「GYOZA OHSHO」はどの店舗でも、「伝統の良さを守り、街並と融合する」というコンセプトが徹底されています。
海外にはおしゃれなフランチャイズがたくさん
おしゃれなフランチャイズの店舗は世界中にありますが、以下からは、誰もが知っているマクドナルドとスターバックスのユニークな店舗をご紹介します。
海外のユニークなマクドナルドたち
マクドナルドといえば、言わずと知れた世界規模のファーストフードチェーンですが、海外には一見ファーストフード店とは思えないような、おしゃれなマクドナルドが沢山あります。
例えば、ポルトガルのリベルダーデ広場にあるマクドナルドでは、シャンデリアやステンドグラスが置かれた荘厳な店内デザインに目を奪われること間違いなし。同じくポルトガルのリスボンにあるマクドナルドは、ピンクの建物に白字のブランドロゴが掲げられており、よく見なければマクドナルドと気づけないほどかわいらしい佇まいです。
ちなみに、アメリカのニュー・ハイド・パークにも、白い外壁にパステルグリーンのマクドナルドが存在します。
さらに、元ジュエリーショップを改装して作られたスペイン・マドリードのマクドナルドでは、立派な柱と大理石の床がお出迎え。今も宝石が販売されていても不思議ではないゴージャスな外観は、地元の観光スポットとしても人気です。アメリカ・ラスベガスのマクドナルドは、店から外まで延びるダイナミックな黄色のアーチが目印。にぎやかな街並みをそのまま反映させたかのような遊び心のある外観です。
スターバックスのコンセプトストアはここがすごい
おしゃれなブランドイメージが既に定着しているスターバックスですが、さらにおしゃれなコンセプトストアが世界中に存在します。
国内で有名なスターバックスのコンセプトストアといえば、「太宰府天満宮表参道店」でしょう。木材を組み合わせて作られた大胆かつ伝統的な店舗デザインは、多くの人に注目されました。
海外のスターバックスコンセプトストアで目を引くのは、使われなくなったコンテナや空き物件を再利用した店舗です。ワシントン州のドライブスルー式スターバックスは、輸送用コンテナを積み上げて建物として再利用しています。
オランダには「THE BANK」という、古い銀行を改装して作られたスターバックスがあり、地下の金庫室をリノベーションして作られた店内は秘密基地のようでありながら、随所に据えられた木材が穏やかな空気を演出しています。やみくもに意匠性を求めるだけでなく、地球環境や地域活性化の視点も取り入れる姿勢は、まさに世界規模の企業ならではと言えるでしょう。
おわりに
フランチャイズショップが、従来のデザインとかけ離れたおしゃれな店舗を作る目的は、話題づくりだけではありません。客層を固めがちな従来の固定されたイメージを、あえておしゃれな内装やメニューで払拭することによって、新しい客層を呼び込むきっかけとなり新メニュー開発の研究にも繋げられます。ユニークなデザインのフランチャイズ店舗を見かけた際は、ぜひ足を運んでみると良いでしょう。